Twilight of midnight

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怪盗な季節☆ (長編)

怪盗な季節☆ 第二五話

集合場所にはすでにみんなブーブー口をとがらせながらも
俺の到着を待ってくれていた。


「いや?、悪い悪い。
 ついつい遅れちまった」

「おそい…」

シエラがむすっとしながら俺をにらみつけるのを
メイナが「まぁまぁ」となだめる。

「まぁ、五分ぐらいいいじゃないか、な?」

仁がそういうことによりシエラは

「そうだな……」

と怒りを静めてくれた。
すまないな、少しだけど遅れてきたことは反省するよ。

「で、次はどこに行くんだ?」

シエラがパンフレットをかばんから取り出しガサガサと広げる。
お前ら、これが作られた時代の人間だろうが、まがりなりにも。

「僕達が生まれたときにはまだ建造中だったよな、この島」

「そうね。
 まさか要塞になっているとは思いもしなかったけど」

「あれ、お前ら二人知ってたのか?」

二人は、知ってるも何も……と顔を見合わせて

「なんていうか、勘って奴か?
 直感でここは要塞ってわかったし、パンソロジーレーダーで調べてみても
 実際に要塞だったし……」

なるほど。
やっぱり兵器なんだな、お前らは。
繰り返すかも知れないが、やっぱりシエラは最初の頃と比べて話し方が
やわらかくなってきた気がするんだ。
兵器の心から人間の心へと移り変わってきたのかもしれない。
そんなシエラが急に目の色を変えて立ち止まった。

「なんか、僕達を狙っている奴がいるな」

「ん…いるねぇ。
 ――五人ってトコかな」

メイナは買ったばかりの可愛い手袋(クマが刺繍してあった)を右手から外してポケットにしまった。
そして、右の指先を超小型レーザー砲に変える。
どこにいるのかまったく分からない俺と仁は飛んできた麻酔銃の銃弾をシエラの
イージスが軌道をゆがめるまでなにが起こったのかわからなかった。
完璧に俺たちが狙われている。
こんな人が多いところでいい度胸である。

「あそこか」

メイナが目を細めて右手の超小型レーザー砲を向け見えないぐらいに
細い赤いレーザーを五発あちこちに向けて放った。
と、突如あちこちの店が大爆発を起こしたちまち人々はパニックに陥る。

「テロか!?」

そう呟いて、俺たちの隣をかけていく警察官は人々の沈静に当たり騒ぎは一時的に沈静する。
あちこちで、キャーワーはまだ続いてはいるものの。


「こいつらは……」

年配の警察官が、黒焦げになって死んでいる男の服や手の小銃をみて
隣にいる若手の警察官に話しかけている。

「えぇ、間違いありません。
 このところ、健康そうな少年や少女に麻酔を撃ち込み
 病院へ連れて行く医者のそぶりをしてさらうという手口で……」

とにかく、連合郡兵士ではないことですこし胸をなでおろした。
人が死んだのに変わりはないのだが。

「わ、わての店が……」

店の主人だろうか。
ヒゲをはやしたおじさんの声にすまないと思いつつ俺達はこの場を後にした。





「ふ?、しかし怖かったよな」

「まったくだ。
 あんなのに狙われたら普通の人間はひとたまりもないだろうな」

「俺達も普通の人間なんだけどね…。
 一応言っておくけど」

「まぁ、何はともあれ俺達はまたあの二人に助けられたわけだ」

「しかし、いい湯だな」

その日の夜の風呂。
緑色の薬湯にゆったりと使った俺達の周りをアヒルのおもちゃがガァガァと泳いでいる。

「だけど、つかまったら綺麗なお姉さんとかとできるのかなぁ」

それを聞いて少し俺は自重しろと思った。
まぁ、年頃の男だからしかたないのかもな、こういう話も。
ましてや、風呂の中には男しかいないわけだし…。

「さぁ。
 まぁ、おばさん達の相手が関の山ってとこだろうな」

とりあえず、そう答えておいた。
風呂から上がるとジョンに明日の仕事の話を持ち出された。
明日はとうとうハイライトの連合郡少佐に化けて超光学記憶媒体をいただくのだ。
すでに連合郡の間ではジョンからの情報操作で連合郡ハイライト部隊内のみで
連合郡少佐達一向が来るというデマを流してくれていた。
出発する前に鬼灯のおっさんに見せられた地図をもう一回見せられ位置を頭に叩き込まれる。
ハイライトは、内部が要塞のように……いや、要塞か。
かなり複雑なつくりになっている。
位置を覚えておかないとたちまち迷子になってしまうに違いない。
いくら仁が今日新しくウェアラブルコンピュータとやらを買ってさっそく改造。
超高性能の持ち歩けるコンピューターを作ってしまった。
腕に装着するタイプのコンピューターらしくコンパクトにまとめられている。
いざって時はこれを見ればいいのだ。

「―というわけだ。
 了解か?」

セズクが一生懸命に説明して、さりげなく俺にウインクしてくる。
やめろ。

「ちなみに、帝国郡側としては手助けしたいところなんだがあいにく人手も兵器も足りないんだ。
 よって、支援はほとんど期待できないと思ってくれ」

つまり、自分達でどうにかしろと。
そういうことだろう。

「以上だ、
 作戦開始は明日午前十時からだ。
 波音、仁、シエラ、メイナ。
 お前らの健闘を祈る」

ジョンはそういった後、ポケットから煙草を取り出し火をつけた。
煙がゆらゆらと昇り消えていく。
それを見た後、俺達はドアを開けておのおのの部屋へと帰った。




朝ごはんを食べても、食べても食べた気がしなかった。
昨日の俺は夢をまったく見なかった気がする。
正直、俺は今かなり緊張している。
ゆっくりと洗濯してあった服にのろのろと着替え、
セズクや仁が待っている本部の通路へとのろのろと足を運ぶ。
途中、帝国郡の兵士達が「がんばれよ」などの励ましの言葉をかけてくれたが
そんな声も今の俺の体の中を素通りしているようだ。

「おい波音、遅いぞ!」

仁がむすっとした顔で俺を待っていた。
心なしか、仁もいつもよりもそわそわしているようだ。
なんと言っても今までたくさんの仕事の中で一番今回が危険な仕事になるのだからな。

「じゃ、行くか」

左手に持っている麻酔銃の重みと、シエラ達の息遣いがなぜか無性に俺を安心させてくれた。

「がんばれよ、波音」

セズクが俺に手を振る。
俺も力なく右手を振り上げ、兵士達が開けた倉庫へとつながる道へと俺達四人は足を踏み入れた。
中が暗かったらと思い懐中電灯の類を持ってきたのだが不必要だったみたいだ。
通路はあの紫色の光で満たされており輝いていた。
足元の石の細かいところまではっきりと見えるぐらいに。
いくら潜入用の服の連合郡の軍服を着ているからと言って不安感はぬぐいきれない。
ちなみに階級は少佐だそうだ。
普通の兵士に出会っても顔さえ見せなかったら何とかなるだろう。
連合郡と帝国郡の軍服はよく似ていて
袖のラインやボタンの位置などはまったく同じで少し色が濃くなる程度だ。
腕章など細かいところをあげればキリがないが、説明としてはこんなかんじでどうでしょうか。

「シエラはレーダーで前方を、メイナは後方を頼む」

「ん、了解」

足音を立てずにさささっと駆け抜ける。
壁などにはでこぼこは一切なく隠れる場所なんてものは存在しないに等しかった。
頼むから来ないでくれよ…と神に祈りつつ俺達は足を進める。
歩き始めて二十分ほどが過ぎたときだ。

「前方から敵兵接近。
 距離五二〇メートル」

シエラがボそりと俺に呟く。
いくら帝国郡の軍服を着ているとは言え、心の覚悟ぐらいはしたい所だからな。
とか言っている間に前から二人ほどの人影がちらちらと見え始めた。
そして、談笑しているのであろう二人が俺達を見つけたのか急に緊張した面持ちになる。

「おい、そこの四人!
 何をしているのか?」

右の男が俺達に話しかけてきた。
のどをつまんで、んっんっ、と咳払いをする。
鬼灯のおっさんの直伝の技だ。
これで声を少し低くして二十五ぐらいの若者少佐を演出する。
何でそうなるのかとかは知らないが、天性のモノマネと思ってくれてかまわない。

「我々は本部より送り込まれた兵器開発部のものだ。
 倉庫への道のりを探しているのだが迷ってしまったのだ。
 案内してくれると非常に助かる」

兵器開発部といっておけば怪しまれないであろうし案内までしてくれるという
かなり楽な仕事になっている。
『今日ここに兵器開発部の者が来る』
というデマ情報は連合郡ハイライト部隊内では知れ渡っているようだ。
思った以上に緊張しなくてすんだな。
さっきまでの緊張はまったくの無駄だったようだ。

「はっ、こちらです」

急に態度を改めた二人に適当に返答しておいて案内させる。
仁のパソコンがなくても迷うであろうぐらいに複雑な道のりをこの兵士達は
一度も迷うことなく先に先にと進んでいく。
いつの間に叩き込まれたのだろう。
かなりすごい暗記能力だと思う。

「あ、すいません間違えました。
 こちらです」

前言撤回、間違えやがった。

そんな感じで長いこと上ったり下ったり
右折したり左折したりを繰り返す。
途中で徘徊中の兵士達とまた会ったりととにかく長い道のりだった。

「こちらです、少佐殿」

「うむ。
 すまないな、ご苦労」

「では……」

兵士達が消えたのを見て俺達はさっそく倉庫の扉に近寄った。

「でかいな………」

身長の五倍ぐらいでかい黒光りする不思議な金属で出来ていた。
シエラやメイナのところもそんな感じの金属だったような気がする。
もう詳しくは覚えてないが。
歳をとったのか物忘れが激しいなぁ。
まぁ、そんなことはおいといて。
扉にはベルカ帝国の国旗が扉には刻まれていて、いかにも大事な場所です、な雰囲気が漂っている。
今回は電子ロックなどは作動している気配はなく、ポケットからピッキング用の
金具を取り出して、連合郡が突発工事でつけたのであろう鍵穴に差し込んだ。
予想通りのカチリといういい音とともに鍵が開く。
三人に目配せをして、扉を開けようとしたそのときだった。

「おっと。
 そこまでだよ、レルバル君」

パット振り返った瞬間天井などにつけてあったのであろう明るいライトで
俺達は紫の光の中に浮き彫りになってしまった。
余りのまぶしさに目を細め腕で顔を覆う。

「世間をさわがせ、警察の手をのろのろと逃れているコソ泥の正体が
 こんなガキだったとはねぇ」

目がようやく光に慣れてきて指の隙間から周りを見渡す。
ぱっと見て二十?二十五人ってところか。
手を下ろして男の姿を凝視する。

「おっと、変なマネはしないことだ」

男が手を上げるとガチャガチャと兵士達が俺達に向かって銃を向ける。
男は男で一発俺の足元にお見舞いして小さな火花を散らしてくれた。

「さて、その少女達を我々に渡してもらうか」

ばれてる…
この二人が最終兵器だということはすでに連合郡側には筒抜けって事か。
まぁ、あんなに派手な戦闘などを繰り返されたら写真の一枚や二枚ぐらい
気がついたら撮られて本部まで送信なんて簡単だったに違いない。
俺が沈黙していると

「出さないつもりか。
 ―ならこいつがどうなってもいいのか?」

男がパチンと指を鳴らすとあっという間に兵士達が仁を取り押さえて頭に銃口を突きつけた。

「くっ!放せ!!」

仁は抵抗するが男四人に押さえつけられてろくな抵抗が出来るわけがない。

「少しでいい…
 時間をくれないか?」

俺は最後の別れがしたいと男に言った。
承諾されるとは思っていなかったが案外あっさり男は承諾した。
今一瞬で思いついた作戦を最終兵器の二人に伝えたかった。
この状態から抜け出す起死回生の作戦だ。

「一分の間だけだ。
 その間にゆっくりと別れを済ますことだな。
 ただし変なまねをしたらお前はここで死んでもらう。
 あと、こいつは預かっておく」

俺はシエラの隣まで歩み寄り耳元で小さく呟いた。
はたから見るとまるで抱き合っているように見せかける。

「空から一気にあいつらを叩けるか?」

「でもそれじゃ仁が…」

「俺とメイナで仁を抑えている奴ら四人を片付ける。
 俺が麻酔銃を構えた瞬間にお前はレーザーで一気に吹き飛ばしてくれ」

これと同じようにしてメイナにも作戦を伝える。
二人が力強く分かったというのを見届けて俺は二人から離れた。

「時間だ。
 さてどうする気だ?」

俺は二人を見た後小さく頷く。

「こうするんだよ!!」

俺はセズクに仕込まれた早撃ちの要領で麻酔銃を両手に持ち引き金を引いた。
たちまち仁を抑えている二人が麻酔薬を打ち込まれ昏睡状態に陥る。
残りの二人はメイナが倒す……はずだった……が…

「メイナ!?
 何やってんだ…え?」

メイナとシエラは地面に膝をついていた。
息が荒い。

「はぁ…はぁ…まさ…か…てめぇら……」

シエラが食いしばった歯の隙間から言葉を搾り出す。

「まったく、末恐ろしいガキだ。
 こいつがないと死ぬところだったよ。
 我々だってバカじゃない。
 タルワナルカ家とかいう元ベルカ守護四族の末裔からこういうものをいただいてきたのさ」

そういって男は状況が理解できない俺に
角の取れた直方体の黒光りする『何か』を見せ付けた。





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~ Comment ~


なんとっっ
これからというところで区切りますか!?

仁君救出劇、楽しみに続きを待っております♪

執筆頑張ってくださいvそれでは
#441[2010/01/14 22:19]  佐槻勇斗  URL 

みかんみたいになってしまったのですね・・(´・ω・`)

とにかく練習をつみあげて頑張りたいと思います!

幼女という理由で受かっては・・・なんだか複雑ですよ・・・orz
#440[2010/01/14 00:51]  なつ  URL  [Edit]

こんにちは♪

ずいぶんご無沙汰して申し訳ありません。
お知らせを受けてさっそくお邪魔し、続きを読ませていただきましたよ。

相変わらずスピーディな展開に、波音くんたちのコミカルな会話とシリアスが入り混じって実に面白いです♪
最後の最後でピンチを迎えることとなった波音くんたちの今後が大いに気になるところですよ。

色々とお忙しいことでしょうが、がんばって続きを執筆されてくださいね。
今日も素敵な小説を読ませていただき、本当にありがとうございました☆
#439[2010/01/13 16:51]  三宅千鶴  URL 

うわあ、大ピンチで待て次回っΣ(O_O;)!!

敵方に自軍の技術が渡ってるってのは痛いですね、最終兵器モドキみたいにハンパなのならまだしも。
シエラもメイナお姉ちゃんもグロッキーで万事休す――てことは、そろそろやっぱり三人目の最終兵器登場ですか!? 敵でも味方でも今ならかなり美味しく登場できる気が…(゚∀゚*)ドキドキ
#438[2010/01/12 21:35]  卯月 朔  URL  [Edit]

おお! これからどんなえろえろなことが!(←違います(^^;))

最終兵器にも弱点があったとですか。それじゃ最終兵器じゃないじゃん、と思ってしまったのはないしょであります(^^;)

ここでセズクくんあたりが助けにくると株が上がるんでしょうけどねえ。そうはいかんでしょうねえ。

「本部から送られてくるような兵器開発部の人間が二十五なんて若いわけないじゃん」ということで見破られていたらファルスですな。

メイナちゃんかシエラちゃんがうっかり使ったパンソロジーレーダーを逆探知されてバレていてもバカバカしいし。

やっぱり内部に裏切り者がいるんでしょうねえ。

どうなるんだろうどきどき。
#437[2010/01/12 16:30]  ポール・ブリッツ  URL  [Edit]














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