Twilight of midnight

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怪盗な季節☆ (長編)

怪盗な季節☆ 第十七話

「ハイライト行きの十時二十三分発JATL一〇二一三便発進します」

透き通った声のアナウンスが静かに俺の鼓膜を刺激した。


「こっから、ハイライトまでは大体六時間?七時間か。
 つくのは夕方ぐらいになるな」

仁が、PCの電源を落とし寝る体勢に入った。
俺も朝早くからバタバタしていたので少し眠ろうと目をつぶった。
それと同時に、飛行機がゆっくりと加速するGが体にかかり
ちょっと息がしづらいかな?とか思ったら、浮遊感が俺の体を包み込んだ。
ちょっと、うぷ…ってきてしまい、酔い止めの薬を飲んでおけばよかったと後悔した。





中央太平洋上。
超空都市ハイライト周辺。
近年稀にみるほどの大艦隊が集結していた。
戦艦八、空母六、巡洋艦三十二、駆逐艦六十五。
全自動照準ミサイルをはじめ、イージスシステムなどの近代科学の最先端の艦隊だ。
連合郡第十二艦隊。

    シエラ
通常「恐怖神」。

これだけの大規模な艦隊だが、負けるかもしれないという敗北感が艦隊全体を満たしていた。
いくら、最終兵器と戦うといっても連合郡艦隊の約五%を占めるほどの
規模のものを動員する意味があるのかという疑問の声もあった。
事実上、この艦隊は先ほど同規模の帝国郡艦隊と戦い
巡洋艦を三隻、駆逐艦を五隻という小規模の損害で打ち勝ったということもあり
全体の士気は敗北感をしのぐほど高かった。
ハイライト真下にある港で弾薬と損害の修理を済ました後
ターゲットと戦うためこうして同海域に戻ってきたのだった。
空を覆うほどの帝国郡側の爆撃機や戦闘機を相手にしてこっちは一機の迎撃機を出さずに
帝国郡の飛行機部隊の攻撃を乗り越えたという事実から対空防御にもかなりの自信があった。
そして、この大艦隊は来る敵に備えてこうして待機しているのであった。

『出来る限り、生きて捕らえよ。
 それが出来ねば破壊せよ』

連合郡第十二艦隊に与えられた指令だ。

『最終兵器の捕獲もしくは破壊』

わかりやすく要約するとこういうことだ。
これだけの艦隊だ。負けるはずがない。
じっとりと手に染み出した汗をふき取り、第十二艦隊旗艦である戦艦テンバリーナの
CIC(戦闘指揮所)で艦長のルドルフ・アルベルトスは敵が来るはずの東の空に
四十五歳とは思えぬ眼光をむけた。
ルドルフの手元にあるV型とかいった最終兵器モドキが命と引き換えに撮って来た
最終兵器といわれている少女の写真をじっくりと見た後

「ふん…」

ビリビリと破り捨てた。

「勝つのは俺達だ、この悪魔どもめ」

そういって、ルドルフはレーダーに映る栄えある自艦隊を眺め満足そうに目を細めた。





「Fish or meet?」

「Meet please」

肉の方がうまいし。
機内食なんて、あんまり食べないからどんなのが来るのか楽しみだ。
今までずっと鬼灯財閥のステルス機にしか乗ったことないし。
俺、英語話せたぜ、よっしゃ。

「お待たせしました(英語は読みにくいのでここからは日本語で表す)」

「ありがとう」

みると、かなりの量だな。
へぇ、いい仕事してますね。

「波音、僕の分は?」

「今来るからまってろ」

まったく。
おなかがへってるのかお前は。
あ、そうか。
朝食べてきてないもんな。

「おまたせしました」

「きたぞ、ほら。
 食え」

「言われなくても、食う。
 いただきます」

食い気やべぇな、おい。
ふと、周りを見渡すと乗客はパラパラとぐらいしかいない。
その中で、高校一年生で学生服なんてもっと珍しいよな。
私服が学生服なんだからしかたないだろう?
俺、センスないし。
前カラオケ行こうとか言われたので私服でいったら

「うわっ、ダサッ!」

という、詩乃や冬蝉の反応がしっかりと心に残っているので
二度と、私服なんか着るかと心に誓っている。
ふと、時計を見ると十二時半。
なるほど、お昼どきだ。
シエラとメイナは飯を食いながらわざわざ窓がわまで移動して外を見ている。
そんなに珍しいもんか?

「私達の時代はあちこちに人工島とかがあったから空が青いなんて知らなかったの」

そ、そうか。
仁は仁で、目の前にほかほかのご飯が置いてあるというのに寝息を立てている。
おこそうかとも思うが、寝ていたほうが静かでいい。
俺は、フォークやスプーンよりも箸の方がたべやすいといって
スチューワーデスさんにわざわざ箸を持ってきてもらった。
すいませんね、お姉さん。
ほかほか機内食をぱくりと一口。
うん、うまい。
シエラとメイナはフォークとかスプーンを
ガスガスと恨みがあるのかよっ!とつっこみたくなる勢いで突いている。
おちつけ、ひとまず。
お前ら、俺が思いっきり叩き込んだ箸の使い方を忘れたというのか…
泣けてくるな。

「ふぁ…」

暇だ。
正直、寝る以外にすることがない。
あふ…眠い。
ひとまずアイスを四時位にもらおうかな。
それまで寝よう…
あ、ごはんご馳走様でした。





午後三時五十五分。
そろそろ目標が見えてくるはずだと思い、ルドルフはレーダーをにらみつけた。
心配していた低気圧が来る様子はなく、波は穏やかで絶好の天候といっても過言ではなかった。
暗い上に、光と言えばコンピューターや制御装置の赤や緑のCICの中は
クーラーが聞いていて涼しいとは言っても頼まれでもしない限り好きにはなれないと
ルドルフは思っている。
やっぱり、海が見えるブリッジ(艦橋)が一番だと思い

「外の空気を吸ってくる」

と一言、部下に残しCICからブリッジへと上る階段へのドアをあけた。
少し歩くとすぐにブリッジだ。

「ん…」

大きく伸びをして、深呼吸をする。
太陽は夕日となり、海を赤く染めている。

「これからおこる戦いでの、最終兵器の血だ。
 俺達が流す血ではない」

潮風がルドルフの鼻をくすぐり改めて自分の使命の大きさを思い出し
これから怒る戦いに胸をおどさせる。
「艦長が死ぬときは我々が負けるとき」
これは、部下が冗談でいったことだ。
ルドルフは今まで数々の帝国郡と戦ってきたが一度も負けたことがなかった。
そのことが、余計に部下の信頼をあつめよりたくさんの部下が来る。
それほど、ルドルフがすぐれた指揮官だった。

「…?」

夕日にきらりと何かが反射し、猛ダッシュでCICへ駆け下りたルドルフは
あぜんとしているオペレーターのマイクを奪い取り

「来たぞ!!
 第一種戦闘配備!!」

と吹き込んだ。





「ふふふ、アイスだ」

俺は、さっき運ばれてきたアイスを手にとり眺めた。
なにを隠そう、アイスが大好きだ。
さて、いただきま…
というところで

「「波音!!仁!!伏せろ!!」」

と、最終兵器二人組みに押さえつけられた。

「なにする…」

と、顔を上にあげ俺は二人に怒鳴ろうとしたが血相を変えてまで
俺達二人を押さえつけたのには意味があるのだろう。
と、俺の目の間に封すら開けていないアイスが飛び込んできた。

「アイス!!!」

「あきらめろ、バカ!」

とシエラに怒鳴りつけられたと思うと同時に
飛行機にすごい衝撃が走り、俺達は壁へと叩きつけられた。





「目標に命中!」

オペレータの声が艦隊に響き渡ると、あちこちから歓声が聞えてきた。

「心配するほどのもんじゃなかったな」

ルドルフは副艦長にそういってブリッジへと階段を登った。
CICにずっといるつもりはさらさらなく、人の死というものは
機械などで確認するものではないと思っていたからだ。
ミサイル巡洋艦、コンハッタンから放たれた艦対空ミサイルは見事に民間機に命中した。
ミサイルは民間機の右翼根元にあたり、そこが燃料タンクになっていたのか大爆発した。
右翼の根元からぽっきりと折れた民間機はきりもみ回転しながら次第に高度を下げていき
海面に落ちる前にメインタンクに引火したのかさっきよりも大きな爆発を起こし
一瞬太陽をもしのぐ光を発した後、あとかたもなく消え去った。
そこに飛行機があったと思われる跡は、海面の大きな波紋と
ポツポツと浮かんでいる多数の荷物、そして海面に直立したまま沈んでいく右翼だけだった。

「…戦ってみたかったのだが……」

一瞬にして終わったか…そう続けようとしたルドルフにオペレーターの金切り声が飛び込んできた。

「じ、上空に大きなノイズ反応!!
 な、なにかいます!!!」

その言葉はルドルフの萎えかけていた気持ちを高揚させるのに十分だった。

「くくく…そうこなきゃな」

そういって、ルドルフは足元においてあった双眼鏡をてにとり
ノイズが観測されたほうへと向けた。





「アイスー!!」

「しつこいぞ、バカ!」

うぅう…俺のアイス…
爆発する寸前にシエラが壁を破壊し、俺と仁を抱えたメイナが飛び出した。
一泊遅れてシエラも飛行機から飛び出し、そのご大爆発をおこした飛行機の陰に隠れて
プカプカ浮いている飛行機の破片のうえに降り立った。

「姉さん、今度は僕が行っても?」

シエラがメイナに問う。

「えぇ、いいわよ。
 行ってらっしゃい」

メイナは着地の際にぬれた靴を片手でぶらぶら揺らしシエラに微笑んだ。
まるで、おもちゃで遊んでいる子供をみる母親のような目で。

「じゃ、行ってくるな。
 波音、暴れるなよ」

あばれねぇよ、バカ野朗。
静かにここからお前の奮闘振りをみさせてもらうさ。
バサッという表現がふさわしいぐらい勢いよく鉄の羽がシエラから突き出す。
そして、最終兵器の力を使うという印…
シエラの左目が赤紫から完璧な赤になりうっすら光はじめる。
これは、研究員から見て今は最終兵器の力をだしているのかそうでないかの
判断の基準となったと二人は語ってくれた。
ただ、俺からしたらそれが不気味で仕方ない。
眼帯をつけていて欲しかったのだが…

「ほら、シエラ。
 眼帯、わすれてたわよ」

メイナがかばんからポイッと、シエラに眼帯を投げる。

「ありがとう、姉さん」

それを左目につけた後、シエラは俺達を見回した後

「ん…」

小さく唸ったかとおもうと、すごい風圧が俺達を襲い
巻き上げられた海水が俺の頬をうった。
風がおさまった後、目を開けると流れ星ともまちがう光が
大艦隊へと飛び掛っていくのが見えた。





「ノイズさらに強力になりました!
 す、すごい速さで来ます!!
 マ、マッハ五は…あるかと!」

ルドルフはオペレーターの声を聞きながらレーダーをひたすらにらみつける。
もう、駆逐艦の何隻かは交戦しているようで鉄の咆哮が腹に響く。

「ノイズが取れました!!
 こ、これ…いやこの娘が最終兵器…?」

ルドルフがレーダーからオペレーターに目を移し
攻撃するように呼びかけようとマイクを引き寄せたとたん

「駆逐艦セニョール沈没!!」

別のオペレーターから味方艦の沈没知らせがルドルフを凍らせた。
それと同時に、物が爆発することを知らせる、エネルギー衝撃波がCICを揺らした。





突然の敵の襲来に唖然となっていた歓待もすぐに気を取り直し
シエラをめがけて対空機銃やミサイル…ありとあらゆる兵器が火を噴きはじめた。
シエラはパンソロジーレーダーを全開にした。
すると、かぞえきれないほどの艦が頭に写る。
その一つを選択すると、眼帯にその艦の映像が映し出された。

「なんて数だ…」

それらと戦うのかとおもうとぞくぞとした快感が背筋を走った。
艦隊上空で対空砲火をくぐりぬけながら最強のレーザー兵器「光波共震砲」を
作りあげるために集中しはじめた。
だが、レーダーの隅にうつっていた大きな艦から小さいたくさんの物―戦闘機が
つぎつぎと発進しているのをみてしまった。

「ちっ…」

地上と空中からの同時攻撃を防ぐのは安易ではないと最終兵器としての本能が語る。
すこしでも後の負担をへらそうとつぶすのが比較的簡単である艦…
最終兵器を殺そうとしている士気の高い艦さえつぶせば士気の低い艦は問題にはならない。
そう判断したシエラは艦対空ミサイルや機銃を放ちはじめた艦に襲いかかった。





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~ Comment ~


か、かっこよすぎる……v(´∀`)

やっぱり戦闘シーンは燃えますよねー。
読んでいてこっちもどきどきハラハラです♪
専門用語(?)のようなものは佐槻にはさっぱりですが汗、すごく本格的で、描写が丁寧で、場面が自然と頭に浮かんできます。
もう画面に釘付けですよっっっ

最終兵器は艦を倒せるのでしょうか???
また読みに参りますね♪
#335[2009/11/05 23:24]  佐槻勇斗  URL 

NoTitle

私、乗り物酔いしやすくて……って違いますね(汗)

何だか緊迫したシーンがッ!!
そのシーンと波音たちのギャップが…
うん、いい味出してます(≧∇≦)

こういう書き方はネミエルさまの持ち味ですよね♪

戦艦もの、大好きです!
続きを楽しみにしてますね♪
#206[2009/10/09 02:03]  鷹の爪痕  URL 

NoTitle

大艦隊と最終兵器の戦い。
はじまりましたね~。

空母6を含む、大、大艦隊ですね~。
火のついたオイルまみれの海になりそう…と心配しつつ、空母を含む大艦隊、指揮するには艦長だけでなく、司令も必要です☆
#205[2009/10/09 01:06]  ババノヘソ子  URL  [Edit]

かっこいい♪

こんばんは♪
いつも楽しく読ませていただいていますが、今回はとくに面白かったですよ!

静かなる海軍の様子と、波音くんの飛行機の中にあっても崩れない日常がバランスよく描かれていて、ネミエルさんのセンスの良さが光っていたと思いました。

それにやっぱり、何と言っても戦闘シーンに迫力がある。
とても丁寧に描写されているので、艦隊ものにあまり詳しくない私でも、絵を見るように読み進めることができました。

本当に面白かったです♪
次回もとても楽しみにしておりますので、どうかがんばってくださいね(^^♪
#201[2009/10/08 23:29]  三宅千鶴  URL 

NoTitle

やっぱりアクションシーンは燃えますな。

ところで水上艦から撃つのは地対空ミサイルではなくて艦対空ミサイルではないのかしらん……? 略語はSAMで同じですけど。
妙なところでミリタリファンなもので。
#200[2009/10/08 21:44]  ポール・ブリッツ  URL  [Edit]

NoTitle

艦隊……っ!!
艦隊vs 最終兵器とかって……っ!!!

燃えだぁあああああああ――――――――――っドキドキ(゚∀゚*)(*゚∀゚)ドキドキ

すみませんとり乱しました。好きなんですもんこういうのっ! ハイライト周辺に布陣する連合群艦隊と飛行機の波音たちの空気のギャップがいいですねー。
でもやっぱりラストの戦闘あたりテンション上がります↑↑↑

#199[2009/10/08 21:36]  卯月 朔  URL  [Edit]














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