Twilight of midnight

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怪盗な季節☆ (長編)

怪盗な季節☆ 第十三話

「しかし、お前は女運だけでなく男運もあるんだな」

鬼灯のおっさんがくっくっく…とのどを鳴らして笑った。


正直言わせてもらう。
俺にそんな特殊な趣味はもちろんない。
だから、当然あんなハンサムガチホモ野朗に

「愛してる」

とかいわれてもくらっとこない。
くるわけない。
むしろ、うざい。
もう、なんなんだろうか。

何が「僕の永久波音」だ。

もう、俺の目の前に現れるな。
いっそ―この世から消えてくれ。

「はぁ…」

仁は、疲れからなのかからしらないがガーガーといびきをかいて寝ているし
シエラやメイナは陽子学や光化学の本を見て勉強(?)している。
一冊、手に取ってみたが+やら-やらスペクトルやら、なにがなんだかわからない。
そんなわけで、今とっても暇な俺がこの飛行機の中での時間を使いシエラやメイナの
最終兵器としての説明をしようかな。

「何さっきからぶつぶつ言ってるんだ?」

シエラがパタムと本を閉じうるさい蝿を見るような目で俺をみる。
ちらっと、本の表紙が見えた。
そこにはこう書いてあった。

『光化学レーザーの力及び、効果』

健康に役立つことをはじめるならまだしも…
これ以上強くなるのかと冷や汗が出た。

なんでも最終兵器としてこいつらは『育つ』のだという。
兵器の断面図などを見て、おぼろげながらもその通りに
腕などの可変式鋼鉄細胞をそのように変える。
すると、兵器を圧縮して腕につけたみたいになるので
自分の意思でレーザーなどがうてるというわけだ。
ちなみに、弾など消費する武器は使わないのではなく使えないらしい。
深く理由を考えると納得できるだろう。
弾を使う=自分の組織を飛ばす。
さすがに敵もこんなのくらいたくないだろうし自分も痛いだろう。
使うたびに減っていく自分の体重。
げにおそろしや、最終兵器。

「私、波音に拾われてよかったかも」

ポツリとメイナがいったことにより
俺の遺跡でシエラが教えてくれた『最終兵器のしくみ』の回想は途切れた。
ヘー、最終兵器も感謝の心があるんだなぁ、とか思いつつ照れてる俺がいた。

「大変だよ?
 朝から」

シエラがさらっと、いう。
あいからわず、このさらっと言うタイミングのウマさ。
もしかして狙ってるんじゃ…
ってか、一応主従関係というのがあるんだから守れ。

「へっ、何いってやがる。
 そういうお前こそ朝っぱらから俺にレーザー向けてきやがって。
 お前の主人は俺だぞ。
 ほら、文句あるなら可愛く
 『ご、ご主人様ぁ』とか言って見やがれ!!」

「ご、ご主人…様…」

素直に可愛いと思う。
が、それは置いといて。
―その左手の大口径レーザー砲は何だ?
俺を殺す気なのか?
やめようぜ、そういう冗談は。
笑えないだろうが、はっはっは…

「死ね」

シエラが恥ずかしさ八割と屈辱二割で顔を赤くしながら俺に言い放つ。
だから、最終兵器にそういうこと言われたら
現実のものになる気がしてならないだろうがっ!

「シエラ、もうやめなって。
 あんたも幸せないいご主人様(笑)に拾われてよかったじゃん」

だから、(笑)ってなんだよ。
メイナが、片目を閉じて「ね!」とウインクする。
俺に振られても…とか思いつつシエラが照れているのか怒っているのか
顔を真っ赤にしてメイナに掴みかかるのを笑いながら見ることにした。
まったく、シエラという最終兵器はよくわからないものだ。
照れたり、怒ったり…大変だな…
ベルカ帝国はどうして、兵器なんかに心を残したんだろうな。
と、久しぶりに難しいことを考えていた俺の脳は緩やかに睡眠物質を分泌しはじめ
俺をゆっくりと眠りに導いてくれた。





夕日の赤く鋭い光が俺を刺激する。

「ん…」

ゆっくりと目を開くと同時に、軽い振動が飛行機に伝わり
無事に着地したのを俺に伝えてくれた。
横をみると、シエラとメイナは最終兵器とは思えないほど
無防備に座席に横になって寝ていた。
仁はよだれをたらしている。
俺も人のこと言えないかもしれんが。
おっとっと、ぬぐわないとな。

「ここから、先は部下に送らせる」

急に鬼灯のおっさんが話しかけてきた。

「おい、起きろ」

俺は三人を起こして、飛行機から出る。
飛行機の横には黒い車がエンジンをふかして止まっていた。

「ん?っ!よく寝たっ!」

仁があくびをして目に涙をためながらPCを片手に飛行機から降りてきた。
シエラとメイナもその後に続く。
お前らも眠るんだなぁ…とか思いつつ
どうして、俺はこの二人の寝顔を携帯で撮っておかなかったのかと少し後悔した。




朝が来た。

「起きろ!波音!!」

ああ、うるさい。

「起きなさい、波音」

あぁ、お姉さまって感じの声だな。
俺はこの二つの声から一日がはじまることとなった。
時計を見ると、七時。
俺が家を出るのは八時だから…

「よし、後五分寝れるな。
 おやすみ」

再び、まぶたをパタリと、閉じ夢の中に帰ろうとしたが
冷たい鉄の感触を二つ頭にかんじた。

「ったく…
 すぐに、むきになる…」

ぶつぶついいながら俺はよっこらせとベットから起き上がった。
すると、昨日帰るすんぜんに鬼灯のおっさんから渡された大塔高校の制服を着た
メイナが目に飛び込んできた。

「動きにくいね…」

シエラと双子の姉妹なので当然よく似合う。

馬子にも衣装…

いや、このことわざは違うか…
眠い頭をふりながら今のメイナにぴったりなことわざを探すが
あいにくみつからない。

「わ?、姉さん。
 これじゃ、まるで『馬子にも衣装』みたいだな!」

シエラが俺がいま考えていたことわざをひろうする。
きっと、昨晩勉強しているときに偶然みつけたんだろうな。
だが、残念だけどそのことわざは違うって…

「ん?
 それ、どういう意味なの?」

メイナは日本語をまだしゃべれる程度にしか知らないので
シエラに聞き返した。

「ん?知りたいか?」

メイナは頭をカクカク、と縦に振り肯定の意を示した。
シエラは腰に手を当ててどこから持ち出したのか眼鏡をかけ
どこかのえらい博士に変装したつもりなのか、えらくきどった声で説明をはじめた。

「うおっほん。
 S…じゃなくて、メイナ君。
 よく聞きたまえ。
 『馬子にも衣装』とはな……」

あぁ?、なんか最終兵器どうしの争いがまた勃発しそうだ。
巻き込まれたら命はないよな…
神様たすけてくれますか?
俺は天国にいけるのでしょうか?
――無理か…

すると、シエラが肝心の意味を言う前に

チン!とトーストが焼けあがった音がした。

「え、何?
 今の音?」

メイナは興味深々にトタトタ…とトーストへ駆けていった。
シエラが俺の家に来たときもそうだった。
冷蔵庫を指差して

「テレポーションシステムだな」

といったり、車を見て

「なんで、浮いてないんだ?」

と言い出したと思ったらTVを指差して

「触れないのか?」

といったりしていた。
進みすぎた文明を最終兵器になる前にしっかりと見ていたんだろう。
以外にこういうのは記憶に残るものだからな…
たとえ、文明の差があったとしてもな…
俺は外はカリッと中はもちっとやけたグレートな出来栄えのトーストを頬張りながら
もう、古いブラウン管のテレビのスイッチをいれた。
狭い食卓にテレビの声が流れる。

『昨日、午前五時頃フランス公国に帝国郡が攻撃を仕掛け一時期パリを占領しました。
 ですが、現地についた連合郡にすぐに奪回。
 つづいて、アメリカ共和国に展開していた帝国郡も撤退しました。
 この、暴動による交通及び金融関係の損傷はないということで…』

世界は今不安定だ。
約百六十の国からなる帝国郡と約二十の国からなる連合郡。
兵数は圧倒的だが兵器の格が違いすぎる。
戦場現地で取材をしていたニュースキャスターが

『棒切れと戦車』

という例えをしたぐらいだ。
そこまで兵器の差があるということなのだろう。
現に帝国郡からしたら戦争だとおもっている規模の大隊の駒をすすめても
連合郡からは暴動程度にしか考えられなかったのがいい例だ。
帝国郡は発展途上国、もしくは貧しい先進国からなっている軍隊だ。
拠点としてはアフリカやオーストラリアなどの南半球に偏っている。
その一方、連合軍は豊かな先進国ばかりで成り立っている。
拠点としては昨日いったアメリカ共和国や今住んでいる日本帝国、フランス公国などだ。
教科書には連合郡が集結しつつあった帝国郡の拠点にミサイルを撃ちこんだのが
戦争の始まりだとされている。
早めに、厄介な種は摘み取るという作戦だったのだろうが、現実は戦争にまで発展してしまった。
この世界大戦は第二期一九九八年から始まっているから
かれこれ十四年間戦争が続いていることになる。
噂では、連合郡はベルカ帝国遺跡から発掘した発掘兵器ばかりを前線に投入しているとか…
貧しいあげく、発掘兵器を直す技術力もない帝国郡が勝つのは不可能というものだ。
それに、連合郡には…

「へ?っ、戦争か」

メイナがジャムをぬったパンをくわえながらボソボソとつぶやく。
最終兵器としての血がさわぐのだろうか。

「ところで、波音。
 今地図を見てたんだが…」

とシエラが学生服姿で俺に社会の授業でつかう地図帳を突きつけてきた。
多分、勉強中にたまたまみかけたのだろう。

「いつ、着替えた?」

「さっき。
 と、それはいいからこれ教えてよ」

ったく、俺は飯の最中だってのに…
とか思いながら好奇心で目を輝かせているシエラが指をさす場所をみる。
一発でわかった。

「あぁ、ここか」

この地図だけでなく世界中の地図に必ずのっている島がある。
マリアナ海溝の真上に位置してあってはならない場所にある島だ。
今、残っているベルカの超古代文明の遺産としてもっとも有名だ。
連合郡が必死に研究者を減らそうとしている中この島があるせいであまり効果がない。
学者からしたら非常に興味深い島である。
この島のおかげで超古代文明があるということが証明されたようなものだ。
いつか、仁がいっていたPCなどの機器もベルカの技術がつかわれているという
話も納得できそうなぐらい神々しい。

それは、約五二〇〇年も前から『浮いている』
そして、島は海にあるとは限らない。
なんせこの島は…

「超空都市ハイライトだ」

そういって、俺はPCでハイライトについて裏サイトで検索してやろうと
パンを飲み込み食卓からたったときだ。

「…っ!」

八時をつげる時計の音がけたたましく俺の部屋で鳴り響いた。
俺は、テーブルの上の皿を流し台の中にすべりこませかばんを持って
まだ、パンを食べている最終兵器姉妹の肩を押しながら
学校へと出発した。





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~ Comment ~


NoTitle

普通に飯を食ったくらいでレーザーをばりばり撃ったり激しい運動をしたりする栄養分を補うことができるのかについて考えたところ、恐ろしい考えに行き着きました。

すなわち、シエラたちは食った飯をそのままアインシュタインのあのE=MCCの方程式に従って直接エネルギーにしているのではないか(笑)。

だからシエラたちはトイレに(以下下品だから略)

あと、これはわたしの好みなんですが、「帝国郡」「連合郡」というのが造語ということはわかるのですが、「郡」というと、行政区画の下部組織の、もろ「田舎」という感じがするので、もちっとなんかいいフレーズはなかったのかと思います。うむむ。
#136[2009/09/20 12:51]  ポール・ブリッツ  URL  [Edit]

NoTitle

はじめまして~
最終兵器と同居する男の子?
今度は最初から読ませていただきますね
それではまたおうかがいしま~す^^
#135[2009/09/19 22:49]  HANA子  URL 

NoTitle

ほいほい、来ましたよ~♪

シエラの武器説明で「ほぅほぅ、なるほどね」と。
…てことはですよ、これから多分使わざるを得ない時ってきますよね。
……何かその時にすごく一悶着ありそうな予感……

ただね…
そんなシエラに冗談でも「○ね」と言われて、左手の大口径レーザー砲を向けられたら……

コワイって……( ; ゚Д゚)
#132[2009/09/18 23:46]  鷹の爪痕  URL 

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#131[2009/09/18 23:08]     

はじめまして♪

はじめまして♪
さっそくお邪魔させていただき、「怪盗な季節」を拝読させていただきましたよ!

いやー、すっごく面白かったです!
最初は2~3話を読ませていただくつもりが、途中でやめることができずに結局ここまで読み進めてしまいました(笑)

展開がスピーディで読みやすく、独特の文体が読み手にはたまらない魅力ですね。そして何より、登場人物に爆発的な魅力があって、物語に引き込まれてしまいます。

続きを楽しみにしておりますので、更新がんばってくださいね♪
ちなみに、あたし、BL大好きです(爆)
こんな三宅ですが、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

今日は久しぶりにスッキリする戦闘シーンを読ませていただき感激しております。読ませていただき、本当にありがとうございました♪
#129[2009/09/18 20:20]  三宅千鶴  URL 

NoTitle

もうすでに物語に着いていけてない俺ガイル
#128[2009/09/18 20:16]  蝉  URL 














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