Twilight of midnight

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怪盗な季節☆ (長編)

怪盗な季節☆ 第十話

「さぁて、行きますか」

俺達三人は、遺跡の入り口へと歩き出した。


まるで、蛇にくわれたみたいだな。
俺はそう思いながら遺跡の天井を見上げた。

「落ち着く場所だ」

少女が言う。
まぁ、お前からしたら家みたいな感じなんだろうな。
ベルカ遺跡がお前の家だったしな、げんに。
やっぱり、似たような雰囲気がするのか?
あったとしたらどんな雰囲気なんだろうな。
俺にも、ちょっとだけでいいから感じさせてほしいね。
そうすれば、少女を俺から切り離す何かがわかるかもしれんからな。

「ここも、何かの兵器庫みたいだな」

仁が、壁を触りながら言う。
俺達三人はおしゃべりのためいったん立ち止まることにした。

「あぁ、しかもデカイ。
 しかも僕がいた遺跡と似たようなつくりになっている。」

「どうやってわかったよ?」

俺はびっくりする。
そりゃそうだろう、はじめてきたのに遺跡の形が内部から分かるなんてな。
こいつは超能力者なのか?
―最終兵器だな。

「精神パンソロジーレーダー。
 パンソロジー電磁波を僕の体内から…」

難しい説明はいらん。
簡潔に説明したまえ。

「簡単に言えば、僕の探知能力。
 生命反応から、熱反応、X線感知。
 そのすべてを僕は半径五百キロぐらいなら知ることができる。
 パンソロジー電磁波は人間なら誰もが微弱ながらもってる。
 波音、お前ももってるよ。
 僕のはそれを大幅に強化しただけなんだ」

そりゃおそろしいレーダーだこと。
山奥とかに行って滝にうたれながら修行すれば身につく能力なのか?
それなら、俺もほしいね。

「まぁ、それを感知して映像化するのが僕の眼帯なわけなんだが…」

そういって、少女は下を向いた。
―忘れたもんな、あれ。
黒くてゴツイやつ。
そんなに便利なものなら俺にも使わせてほしいものだ。
修行してから。

「まぁ、もっとも今は疲れるからつかってないよ」

そういって、少女は顔を上げ再び歩き出した。
俺と仁も再び歩き始めた。


遺跡の中は湿気でむせ返りそうな悪環境だが
壁は金属なのかなにかわからないもので出来ていてほんのり明るい。
暗視装置を持ってきたが無駄だったようだ。
隅っこを見ても、黴一つ生えてやしねえ。
あの、環境適応能力を持つ生物でも生きていけないような場所なんだろうな。
生き物を寄せ付けない何かがあるのかもしれない。
俺達が仁の言葉を最後に会話を中断していると、

ドン!!ドン!!
ガガガッガ!!

さっきの兵士が持っていたであろう機銃の咆哮が聞こえてきた。

「…波音……」

あぁ、わかってる。
俺達はそこに向かって急いだ。


一言で言う。
グロイ。
さっき入っていった兵士であろう。
約五人が倒れていた。
あるものは、頭から血をだして。
あるものは、首をかききられたのか噴水のように血を噴き出している。
遺跡の中でそこだけ、真っ赤に染まり
まるで異空間のような気味の悪さをかもし出していた。

「F・D…」

俺が、少女に聞く。

「ダメ。 
 生命反応、及び熱反応なし。
 みんな死んでる」

そうか…

「この傷跡は、7.62×39mm弾のものだな。」

こういうときは、仁の銃の知識などがとても役にたつ。
傷跡から、弾がわかるなんて、さすがだぜ。

「ッてことは…」

俺達三人は顔を見合わせた。
青ざめた表情の仁。
普通に動揺すらしてません顔の少女。
そして、俺はきっと動揺しまくっている顔をしているんだろうな。
俺と仁は同じ結論に達したにちがいない。

―この遺跡には俺達以外のなにかがいる。

もっとも、顔色一つ変えなかった少女はいると思っていたのかもしれない。
だとしたら教えてほしいものだ。
こうやって、寿命を減らすのもなんだか損した気分になるからな。

「おい、どうした!?」

急にそんな声が聞こえて俺達は心臓がとびでるんじゃねーかって思うぐらい
びっくりした。
兵士達の仲間であろう。
約十人前後が走ってきた。
あの銃声を聞きつけたのは俺達だではなかったようだ。
俺達は、本当に丁度開いていた天井の隙間へともぐりこんだ。
駆けつけてきた十人の隊長らしき男が、倒れた仲間を見つけ走りよってくる。
そして、倒れた仲間を一人ずつ見て本部に報告しようとしたのか
無線を手にした。

「あー、こちら第十二番…」

そこから、後は続かなかった。

バスッ、バスッとサイレンサーで殺した銃声が響き
次々と、兵士が倒れていく。
血が壁を汚し、鈍い、肉が地面とぶつかる音が響く。
やがて、十人はみんな、倒れ動かなくなった。

「ひ、ひどいことするな…」

仁が声を潜めながら俺に呟いた。
まったくだ。
しかし、この兵士達を殺したのはいったい…

「こちら、連合郡第二十五番特殊中隊。
 目標の大隊を殲滅。
 完璧に抹消しました」

金髪のお兄さんが、AKを持って歩いてきた。
身のこなし、まとう雰囲気がまさに殺しのプロ感を出していた。
そのお兄さんについてくる約十人ほどの特殊部隊達。
天井の隙間から俺達は見てはいけないものを見てしまった感がぬぐえない。
きっと、どこかの組織の特殊部隊だろう。
『連合郡』とか言ったか?
あの大組織の名前。
俺は、少女と仁に動くなという合図をだした。
でないと、こいつらは動きまくるだろうからな。
それに、俺や仁ではとても勝てない相手だ。
それに俺は一応コソ泥。
気配をけすのぐらいちょちょいのちょいだ。
たま?にばれるけど。
はい、そこ。
駄目じゃんとか言わない。
だが、体重を消すのは無理だったようで。

ミリ…ミリミリ…

「ちっ」

「え、まて、マジで?」

「……」

バキャ!!

どうやら俺達がもぐりこんだ隙間は遺跡の天井が老化して出来た隙間だったらしく 
いままで、俺達三人の体重を支えていたのが逆に奇跡だったんだろうな。
そんなわけで、俺達三人は特殊部隊のど真ん中におちたとさ。

「!?」

まぁ、これが特殊部隊の反応だ。
そりゃ当然だろうな。
急に遺跡の中から人が落ちてきたら誰でもそうなる。

「構えろ」

冷徹な声が響く。
さっきのお兄さんが銃を構えていた。
それにつられて特殊部隊の兵士達も銃を構える。

「邪魔者は排除。
 それがわれわれの使命なのだ。
 邪魔はしないでもらおう」

戦闘か…
いくら俺でも特殊部隊には絶対に負ける。
そうおもいながらも、麻酔銃に手をかけたときだった。

「くくく…あっはっは!!!」

少女が笑いはじめた。
それにギクリとしたのか、特殊部隊の兵士達が後ずさりをはじめる。

「撃て!!」

兵士の士気がまだあるうちにと思ったのか大きな声で号令がくだされた。
号令とともに、銃声が響き渡る。
俺は、目をつぶった。
ワンワンとなる銃声とともに

あぁ、短い人生だった。
できれば、死にたくないなぁ。
くそ、鬼灯のおっさん恨んでやるからな。

そう思った。
だがそれももう思えなくなるのだろう。
みんな、さようならだな…



銃声がやんだ。
そこで、俺は地獄を見た。

最終兵器は右手を大きく広げ前にかざしていた。
赤紫の右目と血のように赤い左目(最終兵器は力を使うときに左目が赤くなるらしい。)
の二つの目で前の敵をまるで蟻をみる虎のような目で見た。

「ひ、ひぃっ!」

と、いう声とともに銃声が響く。
おびえた兵士が銃の引き金を引いたのだろう。
銃から吐き出された弾はまっすぐに少女に向かって飛んでくる。
と、弾の軌道が曲がり少女をそれた。
ヒュゥイ、と風をきる音とともに弾は後ろの遺跡にささる。
遺跡から、赤い血のようなものが出て床を浸す。

「波音、仁、隠れて」

少女は、俺達に顔を向けずに言った。

「お、おう…」

俺は、恐怖でゆがんだ仁をひっぱって壁の向こうへと連れていった。



「た、たかが一人、我々にかなうわけがない」

そういった、冷徹な隊長は少女に向かって銃口をむけた。
それに、つられて次々と銃口が上がる。

「撃て!!」

遺跡の内部が銃声で満たされる。
だが、なった銃声は機銃のような軽い音ではなく
光化学兵器―レーザーの空気を切る甲高い音だった。
一瞬にして、隊長以外の兵士が倒れる。

「え…は…?」

隊長は何が起こったのかまったく理解できないという顔で周りを見渡し
そして、少女をみて腰を抜かした。
銀色系の髪と整った顔立ち華奢な体とは似合わないグロテスクなものが
少女の左手に発生していた。
左手にたくさんの線が入り、手の先が銃口へと変わっている。
線はどうやら配線みたいで青く光っている。
光学模様が何気に綺麗とおもった俺は意外とこの場面を楽しんでいるのかもしれない。
配線により、集められた光が銃口で圧縮され射出されるのだろう。
戦闘機を撃墜したときには緊張で見えなかったがきっとこういう感じになっていたのだろう。
少女は、無表情のまま右足を踏み出し、歩き出す。
そしてあっという間に隊長の目先にまで達した。
腰を抜かした隊長はそれだけでびびり、自分達が殺した兵士に躓き倒れた。
それでもなお、目の前に広がる死から逃れようと四つんばいで逃げだした。
それを無表情のまま、だがすこし楽しそうに追いかける最終兵器。
そして、隊長はやっと立ち上がったはいいものすぐにつまずき壁の隅においつめられてしまった。
足が空をきり、顔を目の前の死に向ける。
その顔の口が

「た、たすけて…」

という、言葉を発した。

「……」

少女は殺気をたっぷりと含んだ目を隊長に向ける。
そして、スッと銃口が隊長に向けられた。

「あ…ひっ…」

隊長の目から涙がこぼれ、汗が滴り落ちる。
隊長のズボンが濡れ、アンモニア臭が鼻を刺激する。

「た、頼む…助けて…
 俺には、妻と子供が…」

なお、哀願する隊長に最終兵器は哀れみの表情一切見せず
弔いの言葉を一言も発さず、空気を切る音とともにレーザーを発射した。


それを見ていた俺は震えが止まらなかった。
恐怖、死。
その塊だ、アレは。
仁は愛用のパソコンをしっかりと抱きかかえ迫りくる恐怖と戦っているようだ。
そう、少女はベルカの宗教に出てくる少女にそっくりだ。

 シエラ
『恐怖神』

その名に間違いなく、少女―シエラは恐怖を見せてくれた。



「ふぅ、疲れた」

肩と腕を回しながら少女は俺達が潜む壁の隅に帰ってきた。
どこか、楽しそうに見える少女は完璧にハイになっているに違いない。
その少女に、俺は今即効で考えたことを言ってみることにした。

「あのさ、F・D。
 話があるんだ」

「ん?なんだ?」

すんなりと返事を返してくれた。

「お前を、F・Dと呼ぶのには疲れし
 お前も名前がそろそろほしいだろうと思ったんだ」

「名前…波音みたいなこういうものの事か?」

「そう。
 俺はお前に名前をやるしこれからもこうやって呼ぶ」

「で、名前は?」

「シエラ…」

「……シエラ…」

そういった後、少女は顔を背けた。
そして…

「仕方ないな、使ってやるよその名前…」

とびっきりの笑顔で…
そしてほんのりてれくさそうに紅い顔をして俺にむかって笑いかけた。





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~ Comment ~


いき♂さんへ

あざっす!
ここは未熟な記事でして・・・
お恥ずかしいです・・・
#1002[2010/09/19 21:42]  ねみ  URL 

とりあえずここまで読んだ!
おぅ、ここで名前がッ!
続きも読むじぇ^^
#998[2010/09/19 15:42]  いき♂  URL  [Edit]

読みましたよぅ!

やっとここまで追いつきましたw

人物紹介をしてくれたので、慌てて一気に読み進めちゃいました(笑)
これでゆっくりと次から読み進めていけるw

続き、楽しみにしてますね~♪
#84[2009/09/02 14:05]  鷹の爪痕  URL 

NoTitle

ライフルの音をそこまで小さくするとはすごい威力のサプレッサーですね。人間が発明したとは思えません。やっぱりこれもベルカ帝国の遺産でしょうか(笑)。
そういや、無音のレーザー兵器があったのに、兵士を襲うのに銃弾を使うというのはやはり経済的な問題でしょうか(笑)。
それにこのおっさんら、特殊部隊員にしてはしゃべりすぎのような気がします。黙って行動して黙って撃つのが特殊部隊じゃないかなあ。
#76[2009/08/31 17:03]  ポール・ブリッツ  URL  [Edit]














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