Twilight of midnight

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いただきもの

ん、あれ? しゃくでば? 

放課後のざわめきは哀愁を誘う。
 大塔高校の図書室には西日がやわらかに差し込んでいる。そのせいか、連日底冷えする寒さが続いているが、この部屋は暖房がなくとも暖かい。
 本の匂いと、日差しをうけてきらきらと漂う空気中の埃。耳に入るのは遠くから響く部活の声。
 居心地の良い場所だった。
 窓際の席に腰掛けた彼は物憂げな視線を窓の外、グラウンドに向けていた。
 図書室には彼ひとりしかいない。
 本来ならカウンターに座っているはずの図書委員もいない。
 こんなに居心地が良いのにな、とひとりごち、それから苦笑。
 ひとが増えれば居心地の良い場所ではなくなってしまうな。
 頬杖をついていた彼、灼場山美鶴はゆっくりと背もたれに体を預けて伸びをした。
 彼はこの大塔高校の中でも際立った存在だ。
 すっと、細く長い肢体。整った顔立ち。涼しげな細い双眸は彼という個性を強めこそすれ、それを損なう要素にはなっていない。
 容姿だけではない。
 勉学の上でも彼は際立っていた。校内のテストはもちろん、全国模試でさえ、彼の名は常に上位五指の中に入っている。彼が大塔高校へ入学したときにはすでに、欧米の飛び級制度を利用してすでに博士号も取得済みだった。
 体を動かすことも好きだ。野球、サッカー、バスケ……。だが体育の授業など、人前では手を抜くことにしている。春のスポーツテストのとき、美鶴の本気を見た運動部員らからの勧誘がすごかったからだ。
 野球部に入れば甲子園で優勝するだろうし、バスケ部に入ればインターハイで優勝するだろうし、それに陸上では学生記録を更新してしまうだろう。
 だからといって美鶴は学校中の嫌われ者ではない。人当たりの良い性格で、美鶴の周囲には笑いが絶えない。
 完璧を絵に描いたかのような美鶴。そんな彼にも少し顎が長い、という欠点があるのだが、その欠点すら、「あまりに完璧だと嫌味だから」という好ましい材料と判断されている。
 美鶴は今まで読んでいた本を閉じた。
 金の飾り文字で表紙に大きく書かれた題名は、
『世界美尻大全』
 ……だけど、内容はいまいちだった。
 世界の様々な女性の臀部を扱った本だったのだが、どうも、本質を見失っている気がする。
 どうして欧米人と東洋人の臀部の違いを解説しなければならないのだ。それを言うならば、体型などそれぞれみな違うし、臀部の形状など千差万別であろう。左右対称が美しいとされているが、左右それぞれ形が違うというのも味があるというものだ。
 そもそも、「美」など個人の主観にしかすぎず、普遍的なものではないのだ。それを「これが美しい」「あれが素晴らしい」など判別するのは主観の、個人の趣味を公開しているにすぎない。そう、つまりは個人の性癖を公開しているにすぎないのだ。
 だがしかし、世界中の臀部を紹介しているという点ではかなり満足のいくものだった。題名に「美」などがついているのがいただけないだけで。
 臀部。
 美鶴は遠くグラウンドを走る陸上部女子たちを、豆粒のような姿を見る。
 ハーフパンツ。
 ……なぜだ。
 美鶴は苦悩する。
 なぜ大塔高校は素晴らしい体操服を廃止してしまったのか。
 すなわち、ブルマだ。
 素晴らしい。
 美鶴は思う。
 どのような動作の妨げにもならず、体操時に着用する衣服としての機能を完全に果たしながらも、そのフォルムはあますところなく完璧だ。
 夜明けのような濃紺のそれがスタンダードだが、世の中には夏の草木のような緑色のも、芳醇なワインのような緋色のものもあるらしい。
 素晴らしい。
 色とりどりの選択肢。
 素晴らしい。
 その下にはさらに無限の可能性が眠っていると思うと、いっそ畏敬の念すら覚えるというものだ。
 その下。
 つまりは下着。
 ショーツ。
 素晴らしい。
 その語感すら、素晴らしい。
 そう、そうだ!
 美鶴は心の中で吠える。
 女性の臀部を柔らかく、そして慎ましく包むあの布。いや、布でありレースであり、それは男が知りえぬ未知の素材、いやきっと夢の欠片でできたそれに、どうしてロマンを求めずにいられようか!
 しかし、それも全部丸見えでは風情がない。隠れているから良いのだ。隠されているからこそ良いのだ。
 チラリズムこそ美学。そして正義。エロスにしてジャスティスなのだ。
 エロス。
 その言葉と共に美鶴の脳裏によぎる影。
 いいや、これはきっと間違いだ。
 そうに決まっている。
 なぜならその人は先輩で、自分のことなど全然眼中にもなくて、それに、気がついていないはずだ。夜毎、美鶴が彼を想ってどんな時間を過ごしているのかなど……。
 そのとき、がらりと図書館のドアが開いた。
 振り向く美鶴。
 彼の細い双眸が見開かれる。頬が染まる。
 そこに立っていたのは彼の思い人、出刃猛だった。


 ごくり、と喉を鳴らす蒼。
 いけないと思いながらも、ページをめくる手がとまらな「ただいまー」
「ッ!?」
 突然、詩乃が帰ってきたのだ。
 蒼は慌てた。
 超空要塞戦艦《ネメシエル》の副長、空月・N・蒼中将は現在詩乃の家にいる。寒い日本の冬である。とあればリビングには当然コタツがある。
 ああ、素晴らしきかな日本の文化。
 すっかりコタツは蒼の定位置になっていた。
 今日もコタツでぬくぬくとしていた。そのお供は当然みかんだ。
 ああ、素晴らしきかな(ry
 だが今日のお供は違った。
 とある経路で手に入れた、『薄くて高い本』である。
 しかも登場人物は知り合い。
 という顔見知り程度なんですけどね。
 いっつもしゃくしゃく言ってる変な生物(人間認定したくない)が、どえらい美形の人間設定に改変された、いわゆるジャンル的にはBL的なもの。
 興味本位でページをめくり、それから手が止まらなくなってしまった。
 詩乃が出かけていたから、コタツでゆっくり読もうと思っていたのだが……。
 超空要塞戦艦《ネメシエル》の副長、空月・N・蒼中将は、彼女にできうる限りの素早さで、コタツの中に例の本を突っ込んだ。
 暑くもないのに、だらだらと汗が出てくる。嫌な汗だ。
「ただいま、蒼」
「お、おおおおおおかえりなさい、詩乃姉様」
「……?」
「べ、べべ別になにもかくしてなんか、ななななないですよ」
 ああ、いますぐネメシエルの全火力でこの薄くて高い本を焼き尽くしてしまいたいッ!
 だがしかし。
 続きが気になるから、そんなことできない……ッ!
 ますます嫌な汗が、滝のように出てくる。
 蒼中将、腐女子認定されるまで、あと二分……ッ!!
「ち、違いますーッ! これは誤解なんですーッ!」
 泣き崩れる蒼は、次にあの顎に出会うことがあれば全火力をもって消し炭にしてやると心に強く誓ったのであった。


             なんとゆーかほんとにすんません。いろいろ。  了。




 ネミエルさまの「しゃくでば」シリーズをずーっと、ぶっ続けで読んだ結果がコレですwww
 ごめん蒼ちゃん。だってずっと頭の中でね、「しゃくしゃくー!」って顎が言ってたの。絞り出してミソギをしないとなんというか、私が汚れてしまう気がして…←
 なんかね、顎と出っ歯のBL本があるんだって。「しゃくでば」の作中でだけど。それです。← がっつり美形に改変されていたって話だったので、丁度いいかなって。うん。
 心残りは顎に「しゃくしゃくー!」と言わせられなかったことですが…まあ、あれは別人ですしね。うん。

 蒼中将は女の子です。であれば、腐女子としての素養は持ち合わせているはずなのです!(断言すな)

 ……ところで、なんで蒼ちゃんは詩乃姉様の家にいるんだろう(マテ)。


えーと、本当は「蒼中将vsグリーンベレー改!」とか「蒼中将vsにゃんこ!」とかもあったのですけれど、まあいいじゃないですか。どうせ私には戦闘の描写はキツイですよ! 専門はラブコメなんだってば!←




こちらもミズマ様からです。
なんということだ!(二回目)

美鶴がっ……!
美鶴がっ……!!!

禊?
どんどんしてください、ミズマ様がこのアホ顎みたいになられては困ります。
蒼は腐女子だったのか……。

蒼……。

「えっ!?
 ち、違います!」

はぁ……蒼………。
……お父さんはね、ショックだよ……。

「だから、違いますっ!!
 ただ……その……」

ただ?
その?

「好奇心で……」

……良いことを教えてやろう。
好奇心は猫を殺すんだぜ?

ありがとうございました。
グリーンベレーと猫もよかったら……←
読みたいなっ……て……w
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ぎゃあ! 展示されているぅッ!(二回目)

こうして蒼ちゃんは腐女子の入り口に立ったわけですね。(立たすな)

二作とも、もらっていただいてありがとうございました^^
グリーンベレーとか猫とか…まあ、そのうちに…。
#1198[2010/12/21 20:44]  ミズマ。  URL 














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