Twilight of midnight

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怪盗な季節☆ (長編)

怪盗な季節☆ 第五八話

シンファクシは「出来ることならなんでもする」と完全な協力を約束した。
俺は出来る限りのことはやってみますと応じて部屋を退出した。


「で、どうする?
 こいつはかなりの曲者だと思うんだ」

今度は迷うことなく壊れた病室へとスムーズに戻ることが出来た。
その病室内で綿密に計画を練る。

「波音の曲芸でもだまされないだろうしなぁ……」

曲芸言うな。
正直自由に声色変えれるこの能力要らないと本気で思っていた所なんだよ。

「ハイライトの方法でいいんじゃないの?」

どこから持ち出したのか不明なアイスクリームを舐めながら仁がもごもごしゃべる。

「もが……でも……んまっ!
 絶対X線……んがっ……じゅるっ!」

汚いからしゃべりながら食べるな。
ほら垂れてるじゃんよ、アイス。

「施設の中に兵士はいないんだよねぇ?」

見取り図を広げ例の装置までの道のりを指で確認しながらメイナが

「制圧は簡単なんじゃない?」

にやっとした。

「でも銃火器の持ち込みは間違いなく不可能だろうな。
 入り口で間違いなく取り上げられる。
 といって強硬手段に出れば核爆発。
 シンファクシの話じゃ武装の気配も見せてるって噂だ」

俺の思いつく限りの問題を提示する。
この問題をすべて潰さなければ安心なんか出来るわけがない。

「一発でも砲弾や銃弾が当たったらアウト。
 どうやってもって帰れば良いのか検討もつかない。
 兵士などの邪魔する相手は排除できるとしてとても車なんかは入れないよな………ん?」

指で資料の文字をなぞっていると興味深い内容を発見した。

そういえばこの施設は倉庫。
しかもつい最近出来たばっかりだ。
急ピッチで仕上げたということは所々でまだ工事が行われていると見て間違いない。
それに食料なども積み込みがはじまるだろう。
チェックは必ずされるだろうがそれさえパスしてしまえば……。

「おし、思いついた。
 たぶん完璧だ。
 聞くがいい、ははは」

四人にその作戦……と入っても某ゲームのアイディアを少し拝借することとなるが。
説明事態は五分で終了した。

「よし、決まった。
 それで行こう」

その作戦を話し、無事に四人の賛同を得ることが出来た。
無事承認されたことに少しほっとする。

「それじゃ、シンファクシさんに報告に言ってくるよ♪」

さて、パーティの始まり……と言いたいところだ。
だが問題がある。
それは

「俺の体……」

そう、今俺は自分では満足に動けないほどの重症なのだ。

「あー……」

仁のそうだったと言わんばかりの顔。
そうだよ、俺は重症なのだよ。
自分でも忘れていた。

「なんか……ごめん」

四人のあーという顔がとても俺には物悲しい。
でもシエラが

「ま、仕方ないか。
 僕は波音の方が大事だから波音を取る。
 波音が治るまで待つ。
 それからまた作戦を練ればいいと思う」

こう言ってくれた事により少し悲しみが和らいだ。

「私も待つことにするよ。
 なんてったって、波音は軸だからねぇ?。
 ま、私やりたいゲームあるし丁度良いや」

「俺はPCを作りたいし……」

「僕は波音のそばに居れる♪」

お前ら……。
最後を除いて感動した。
最後がとてもいらなかった。
最後のヤツなんなんだ?

「でも本当にしばらく治らないの?
 波音の作戦だと大体一週間ぐらいなら猶予があると思うんだけど……」

工事が終了して入り口が閉じられる。
出入りはヘリなど以外では完全に不可能になり
生産、消費などがその建物内で行われるようになる。
つまりこの施設がアーコロジー化するまで約一週間ぐらいかかるということだ。
コレも偵察衛星から判明したことで完全ではない。
よって一週間が四日に変わるかもしれない。
四日が二日に変わるかもしれない。
そんな中自分の体のせいでこの四人……。
そして帝国郡全体に迷惑をかけるとは到底ニセと戦うときは予測出来なかった。

「医者の話だと全治一ヶ月ちょいらしい。
 睡眠再生カプセルに入ると一週間ちょいまで縮めることが出来るらしいけど」

仁がメイナにのんびりとした声で説明するのを聞き流す。
なぜなら仁が言った『睡眠再生カプセル』というのが気になっているのだ。

「なぁ、仁」

「?で一ヶ月もかかるんだとさ。
 ん、どうした?」

「その睡眠再生カプセルっていうのさ。
 俺でも使えるのか?」

それを使えば少しは作戦の決行を早めることが出来るはず。
そう考える。

「俺は詳しいことは分からないけど……。
 まぁ波音ならシンファクシも許してくれるんじゃない?」

おそらく色々と問題はあるだろうが……。
少しでも楽して作戦を実行したいという気持ちの方が今は強い。
それに……この四人に、帝国郡に迷惑をかけるわけにはいかない。

「セズク、シンファクシに伝えてきてくれないか?
 この熱い決心が鈍らないうちにな」

「別に良いけど……ハニー?
 傷とかは機械の力を借りず自分の力で直したほうがいいんだよ?
 分かってるとは思うけど……」

俺の体を心配してくれてるのか、セズクさんや。

「僕が思うに大丈夫。
 再生を促進するだけだから」

「ほら、シエラもこう言っていることだしさ」

「でも、マニハニー……」

波音と呼ぶのかマイハニーと呼ぶのかはっきりして欲しい所ではあるが今はいい。
その問題は隣においておく。
よいしょ。

「大丈夫だって、一回や二回ぐらいで
 死ぬわけでもないんだろ?」

「まぁそうだけどね……。
 あ、仁私にアイス頂戴」

「やだよ、自分で取れよ。
 波音、入るなら早く決めとけよ?
 セズクだって……」

仁が指差した先にセズクはいなかった。
入るということをシンファクシに伝えに行ってもらったのだ。
ちゃちゃが入る前に実行したほうが良いだろ?

「ぬぉぉ、いねぇし!」

仁、うるさい。
とにかくセズクが帰ってくるまで暇だ。
ここからあの部屋まで三十分……。
あの時は俺のベットがあったから普通の歩きで約二十分。
合計四十分程度の暇が出来るわけだ。
のんびりとテレビでも見るとするか。
枕の隣においてあるリモコンを持ってテレビの電源ボタンを押した。

「さあ、波音行こうか♪」

『衝撃の真実はこの後すぐ!!』

「えっ?」

どんだけ速いんだよ。
時計を見ても三十秒ちょっとしかたっていないんだぜ?

「カプセル用意してくれるとさ。
 ほら、行くよ!」

妙にハイテンションなセズクの背中にまぁいわゆる『おんぶ』されて病室から出る。
ベッドに乗っていけば良いと思ったが片付けが面倒だと結局押し切られてしまった。

「一週間後な。
 シエラもメイナも仁も元気で。
 死ぬなよ?!」

「はいはい、大丈夫だから安心していって来い」

「私はゲームして待ってるから」

「僕は……何してようか?
 姉さん横で見てていい?」

「さ、マイハニー行くよ?」

病室から出しうる最高速度でつっぱしるセズク。
今回も安全運転でありたいものなんだが……。
こけたりしたら間違いなく俺はそこら辺に頭ぶつけて死ぬ。
もしくはかすり傷が出来る。
今は静かになり、皿を洗う音のみが響く食堂を抜け射撃場と書かれた部屋のそばを通り抜ける。
途中何人かの兵士と出会ったが皆わきによって敬礼してくれる。
きっちり答礼しながらもセズクは風になって廊下を駆け抜けた。
階段をくだり右に曲がると急に消毒液臭くなる医療塔と呼ばれる十二階建ての建物がある。
まさに風のスピードで医療塔に入ってセズクはブレーキをかけた。

「睡眠カプセル室……ここだね」

出し抜けに止まったセズクの背中の上で慣性の法則で頭がスライドした。
つまりセズクの金髪に思いっきり顔をぶつける事となったのだ。
シャンプーの臭いが……うっ……。
自動ドアが開き中の様子が見える。
今から説明しようと思う。
卵の形をした白い容器がざっと二十個程度並んでいる。
顔の部分だけガラス張りになっていて中で黄色の液体に浸かった人が顔にマスクをつけ眠っていた。
卵の隣に一台のPCが置いてありそれがすべてを管理しているようだった。
五人ほどの白衣を着けた看護士が所々に散らばり本を読んだり画面を暇そうに眺めている。

「永久波音だな?
 早く入れ」

後ろから男っぽい女の人に促され恐る恐るセズクに手伝ってもらいながら容器の中に入ろうとする。
赤いランプが点灯して卵の蓋が開いた。

「おい、服を脱げ、服を」

少し待ってくれその指示。
服脱ぐわけ?

「ここで?
 服別に着てても……」

「効果が薄れるだろ。
 それに生理再生水もにごりやすくなる。
 だから脱げ」

眼鏡を光らせて神経質そうな女の人はため息混じりに答えた。

「どうしてもここで脱がなきゃ駄目ですか?」

「ここでだ」

問答無用という風にぴしゃりと突き放された俺は仕方なしに服を脱ぐ。
らんらんと目を輝かせたセズクを張り倒したかったがこいつがいなければ
何も出来ない今の俺は黙ってこの屈辱に耐えるしかないようだった。
ボタンをぷちぷちと外す。
黙って下も脱ぐ。
文句あるか?

「恥ずかしいな……」

せめて前だけでも隠せるもの……と探した瞬間容器に放り込まれマスクを顔に押し付けられた。
容器の中でぶつけた頭がじんじんする。
涙目になる暇も無く

「おやすみ♪」

足元から黄色い液体が滲み出してきてあっという間に踝が飲み込まれた。
少し恐怖を感じたが目の前でぶんぶん手を振っているセズクに苦笑を返す。
液体が胸らへんに到達した瞬間睡眠ガスか何かでまぶたが一気に重くなった。
セズクの手を振る様子が残像となりさーと消えた。





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~ Comment ~


睡眠再生カプセル♪

こんばんは~♪

みんなのため、そして地球の未来?のためにカプセルに入ってでも身体を治そうとする波音くんって、実はとても勇敢な子なんですよね~。
セズクも波音くんのそんな男の子らしいところが好きになったのかも(^^♪

なんだかんだいっても実は仲のいいセズクと波音くんのやり取りに今回も笑わせていただきました♪
次回もまた期待しておりますね~!
#1196[2010/12/21 19:25]  三宅千鶴  URL 

そういや昔アシモフ先生が書いた「ミクロの決死圏」の小説版では、そこに入って寝るだけで体力が回復するカプセルというのがあったな……。

普通のものだったらどこにでもあるアイデアだけど、アシモフ先生、そのカプセルに入ると、悪夢を見てものすごく気持ち悪い気分になるとかいう副作用まで書いちゃった。

そういうギャグは好きです(笑)
#1194[2010/12/19 12:59]  ポール・ブリッツ  URL  [Edit]














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