Twilight of midnight

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怪盗な季節☆ (長編)

怪盗な季節☆ 第五三話

「おい、おっさん!
 いるのか!
 おいっ!!」

電気の消えた暗い廊下を大声を上げて突き進む。


非常用のハッチを開き中に入っていた自動拳銃の冷たいグリップを握る。
さっきまで駆けていた足を緩めゆっくりとした気配を消す歩き方に変える。
静かにスライドを引き、引き金を引くだけで弾が発射される状態にもっていった後
安全装置をかけ、両腕でしっかり拳銃を支え前を見渡す。
なんだ、この空気は。
某ゾンビゲームのような緊張感が充満している。
夏だというのに冷たい空気が身を凍えさせ嫌な空気がどよんどと漂ってくる。
頭の中にこのビルの地図を思い浮かべ五十二階から五十一階へ降りる階段にすら
一段一段警戒態勢を維持してして降りる。
たしか鬼灯のおっさんのオフィスが四十七階にあったはずだ。
そこを確認してから他の階を見てみることにしよう。
五十……四十九……四十八……そして四十七階の踊り場を踏んだ。
そこだけは明らかに他の階と空気が違っている。
このビルのいびつな空気の原因は明らかにこの階からだということが分かるぐらいの濃度。
床に残っている謎の穴。
壁にべったりと付着しているのは……血?
何か重いものを引きずったような傷跡がゆっくりと奥へと続いている。
鼻をつんと突く硝煙と肉が焦げる臭い……。
蛍光灯が割れて青白い火花が散っていた。
ひび割れた窓の外から火の光が不気味に廊下を照らしている。
ひしゃげた鉄の壁を眺め安全装置を解除した拳銃のグリップを握る手に自然と力がこもる。
壁などに集中していたせいか浪漫になっていた床への注意の隙を指摘するように足が何かにぶつかった。

「っ!?」

人が倒れている。

「大丈夫か!?」

うつぶせになっている男のしっかりとした身体を仰向けにする。
そしてびっくりして仰け反った。
砕けた頭蓋からは脳がはみ出て腹からはピンクとも紫とも似つかわしくない色の臓器がこぼれていた。
冷静になるんだ俺。
心臓がキリキリと痛むぐらいに拍動している。
顔は……おっさんじゃないな。
この白衣は研究部のものだろう。

『鬼灯生命科学研究所第二課』

たしか遺伝子や細胞の組み換えをやっている部門だったはずだ。
研究室なども確かこの四十七階にある。
成仏してくださいよーと手を合わせ拝み倒した後さくさくとそこを立ち去ることにした。
メイナもつれてくればよかった、うえーん。
――怖すぎる。
脇の下や額やいろんなところに冷や汗をかきながらようやくおっさんのオフィスにたどり着いた。
ヒビの入った液晶のPCだけが起動音を響かせ青白い光を部屋全体に広げている。
窓ガラスは割れて戸棚は散らばり椅子の木は散らばり台風でも来たのかという散らかりようだ。
電気をつけるため壁のスイッチに手を伸ばしONにする。
しかし電気の光は部屋を照らさず散らばっているガラスから推測するに蛍光灯は割れているようだ。
舌打ちして部屋を出ようとしたが青白い光を放っているPCに気を取られてしまった。
画面に『本日のだいありぃ☆』と可愛く書いてあるからだ。
リボンマークがついている場所だけを掻い摘んで読んで見ることにする。
別にばれないよな?

『第二期 一九九六年五月三一日
 
 今日娘が生まれた。
 名は昔から決めていた詩乃にする。
 ナリサ(おっさんの奥さん。詩乃を守るために犠牲となり死んでいる)は
 穂波がいいというがそれほど良い名前じゃないと思った』

いや普通に良い名前だろおっさん。

『第二期 一九九七年四月二十日
 
 立った!娘が立った!
 おまけに「パパ」と呼んでくれた!
 なんだ、めっちゃ嬉しいではないか!』

親バカ日記か。
ホイールを回しずーっと記事一覧を見ていく。
第二期二〇一〇年十二月二十九日。
なぜかこの記事だけ赤文字で日付が記入されていた。
俺の十四歳の誕生日だ。
クリックで表示する。

『第二期 二〇一〇年十二月二十九日

 とうとう私の発掘研究班がとんでもない物を発見した。
 地下二〇〇〇メートルの巨大遺跡群だ。
 コレまでに類をみない大きさ、形をしている!
 興奮で眠れそうにない。
 さっそく探索を開始する』

『第二期 二〇一〇年十二月二十九日 Vol,2

 やった!
 とうとう発見したぞ!
 思ったとおりだ!!
 とりあえず落ち着くためにコーヒーを一杯飲む。
 童話『騎士団の栄光』に書かれた二つ目の死だと思われる。
 あーもうだめ神様』

テンション高いな、おっさん。
次の記事は二日空いて正月の記事になっていた。
毎日つけていたのにここでちょっとサボってしまったようだ。

『第二期 二〇一〇年一月一日

 先日遺跡で発掘した二つ目の死を帝国郡本部へ送りつけた。
 バーフォードのやつ喜ぶだろうな。
 起動さえしてくれれば我が帝国郡の武器として常に勝利に導いてくれるに違いない』

二つ目の死についての記事二枚目か。
おそらく二つ目の死というのはT・Dのことだろう。
要約するとおっさんがT・Dを発見して帝国郡本部へと送ったということだ。
もっとワイルドに要約すると
「おぉっとT・Dじゃねぇか、ふへへへ。
 バーフォード坊やに送りつけてやるぜ喜べ、このう○こ野朗」
といった所か。
俺もテンション高いな。

『第二期 二〇一〇年一月二日
 
 二つ目の死が起動しない。
 なぜだ、なぜだ、なぜだ』

二行でこの記事は終了していた。
そこから一ヶ月はずっと愚痴らしい愚痴。
会社の経営がうまくいかないとか、嫁がうるせーとか。
なかばどうでもいい気持ちで一つ戻り記事一覧上でホイールで下へ下へと向かう。
再び赤文字の記事を発見。

『第二期二〇一〇年 十一月十四日』

――気になる。
クリックして開こうとマウスのカーソルを動かしたその時画面に赤い液体が付着した。
手を伸ばし、指で掬い取る。

「……血?」

指についたそれに?を浮かべながら成分を分析しているとと今度はボタボタと
音が出るほどに大量の赤い液体がPC液晶上に水溜りを作った。
指から視線を次第に天井に向ける。
右手は拳銃にすべり銃口と視線をリンクさせつつ一気に天井を威嚇した。
銀色に光る意味の分からない物体がそこに鎮座していた。
銀のボディに強弱がある青い光が脈をうつように駆け巡っている。
そしてわずかな隙間から覗いているのは明らかに人のものと思える肉片……。
食ってる……?

「なっ……!?」

思考回路がめちゃくちゃに暴走し混乱の頭で引き金をしぼった。
焼けた薬莢が排出されると同時に硝煙と鉛の塊が銃口から弾き飛ばされる。
空気に渦を作りながら銀色のソレに飛翔した弾は不可抗力によってその軌道を捻じ曲げられた。

――イージス。

ソレの隣で火花をあげて霧散した銃弾を見た本能が告げている。
逃げろ。
そりゃそうだ敵うわけがない。
シエラ、メイナ、セズク、ハイライト、メガデデスと
さまざまな困難をくぐってきた俺の本能にわざわざ言われなくても逃げらーな。
ソレが天井から剥がれ机の上に落下した瞬間を見計らって足のバネを総動員して飛ぶ。
何とかドアを握り締めることに成功しそのまま部屋の外にでて鍵をかけた。
部屋は鉄で覆われているためしばらく出てくることは出来ないだろう。
今のうちにメイナを呼びに戻ろう。
でなければ死ぬ、マジで。
アドレナリンが体中を巡っているのが分かる。
心臓の動悸を何とか押さえつけ走り出そうとした俺より二メートルほど離れた壁に赤いレーザーが突き刺さった。
壁が赤く溶けていて穴が開いている。

「んなアホなっ!」

ドアを吹き飛ばし俺に襲い掛かってくるソレ。
酸素不足にあえぐ肺に気を使う間も無くソレから離れようと必死こきながら銃を乱射する。
ぐしゅぐしゅとワケの分からない銀色の物体は銃弾をイージスでかわした後変形しはじめた。
右足……左足……下半身。
上半身……右腕……左腕。
全部銀のまま体が次々と形作られていく。
中性的な顔に髪。
銀色に塗りこめられた顔に赤く光る目と口。
そこに立っていたのは俺そのものだった。
形態模写……?
意味の分からないことになってきた、なんで俺だけこんな目にあわなければならないんだよ!





               This story continues.

今日は僕の誕生日ということでポールさんからお誕生日プレゼントをいただきました。
いいセンスしてます、ポールさん。

↓です。
 本当にありがとうございました。

さて、今日は、これからプレゼントとしてインタビュー記事を書かねばならんわけだが、そのためにはまずは部屋の掃除からだな。はたきをぱたぱた、と。かわいい女の子がいっぱい出てくるわけだから、誰が来てもいいようにしておかないとな。

♪ぴんぼーん

 おお、来たようだ来たようだ。はーい、いま行きまーす。

「こんにちはしゃくううううう!」

 げっ! み、美鶴! ど、どうして、お前なんだよっ! だいいち、お前、『怪盗な季節☆』の登場人物じゃないだろっ! シエラちゃん、とか、アリルちゃん、とかはどうした!

「あのふたりは優しいからぼくに出番をゆずってくれたでしゃくううううう!」

 そ、そんな……そんな……わたしはこんなやつにお茶を出して話を聞かなくてはならんのか。厄日だ。どうしようもないくらいの厄日だ。そういやあ朝から曇天だったし……。

「どうでもいいけど中に入れてくれでしゃくうううう!」

 く、くそっ、しかたがない……なんか飲む?

「言葉がぞんざいしゃく! もっと敬語を使うしゃく!」

 ううう……なにかお飲みになりますか?

「バンホーテンのココアがいいしゃく! インスタントじゃないやつがいいしゃく!」

 うちにはそんなものは……。

「ぼくの目を甘く見るなでしゃく! お歳暮とお中元の箱の合間にちらりと見えたでしゃく!」

 くそう、目がいいなこいつ。せっかく、暮れにたらいまわしにするつもりだったのに……。

「わかったらさっそく作るでしゃく!」

 めんどくさいんだよなこのココア作るの。砂糖と牛乳を少しずつ加えて、練って練って練ってよく練って……。

「その間にぼくはポールさんのPCでゲームをやって遊ばせてもらうでしゃく! な、なんだこれはでしゃく! すごく荒い解像度でしゃく!」

 ああ、それか。昔のMSXという8ビットパソコンのエミュレータを走らせているからだよ。わたしはパソコンゲームに関しては懐古主義者なんだ。

「独身男だったらエロゲーの一本や二本準備しとくのが大人のマナーでしゃく!」

(うるせえ! そんなものをシエラちゃんやメイナちゃんに見られてたまるか!)

「ロードランナーはいま遊んでも面白いでしゃく」

 結局遊んでるんじゃないかっ! ところで、台所からも声が聞こえますから、『怪盗な季節☆』の裏話などをいくつかお聞かせ願えませんか?

「いくらでも聞くでしゃく!」

 まず、最近とみに重要人物化している、アリルちゃんのことですが……。

「ああ、あいつは作者が玉ねぎから名前をつけたでしゃく」

 た、玉ねぎ?

「知らんのかしゃく。愚かでしゃく。玉ねぎを切ると、中から硫化アリルという成分が飛び出して、催涙ガスのように切った人間に涙を流させるでしゃく。そこから名前がついたでしゃく。それが証拠に、あの女は抱くと玉ねぎみたいなにおいがするでしゃく」

 あんた、波音に殺されるぞ……。これ以上聞くとこの男、アリルちゃんになにをいうかわからんなあ。しかたない、変更だ。美鶴さん、主役のひとり、最終兵器のシエラちゃんについてお話を……。

「ああ、あの女は、ホテルから名前がついたでしゃく」

 ほ、ホテル?

「知らんのかしゃく。愚かでしゃく。シェラトン・ホテルというものを知らんのかでしゃく」

 名前は聞いたことがあるけど、泊まったことは……。

「ちっちっち。これだから貧乏人は困るでしゃく。その『シェラトン』の最初の三文字をとって、シエラになったでしゃく。本人もそれについてはよく知らないようなので、ぼくがあのツンツン娘を連れて行って泊まり、身体に教え込むでしゃく」

 無理だと思うが……あの娘にそんなことをしたが最後、レーザーとマイクロミサイルで、肉体のかけらすら残らないで蒸発させられると思うんだが……。

「ほかに聞きたいことはないかしゃく? メイナや詩乃や……」

 TRRRRR。(携帯が鳴る)

 はい。ブリッツです。

『ポールさんですね? ああ、蒼です。うちのシエラ姉様のインタビュー時刻が繰り下がったことについてですが……』

 繰り下がる? ええ? そんなこと、いった覚えありませんよ。いま、美鶴さんが来ていろいろと話を。

『……………………なにか、わたしたちについていってました?』

 アリルちゃんの名前が、玉ねぎを切ったときに出る硫化アリルからつけられたとか、シエラちゃんをシェラトン・ホテルに連れ込むとか……。

『ポールさん』

 はい?

『そこを動かないでください』

 はあ。

『ネメシエル!』

 えっ?

 次の瞬間、わたしの家の天井から、美鶴が座っていた形にきれいに大穴が床まで開いた。美鶴の肉体は肉片ひとつ残っていなかった。爆撃によるものなのか銃撃なのかビーム兵器によるものなのかは考えたくもなかった。

 わたしの家……。

『これから、シエラ姉様やメイナ姉様や波音さんや……集められるだけのほかの面々を連れてそちらにうかがいますから! 家についてはきちんと弁済させていただきます!』

 蒼さん?

『はい?』

 ココア飲みますか? バンホーテンですが……。
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~ Comment ~


千鶴さんへ

波音の出生に別に謎はありませんよw
ただの人間です。

はい♪
誕生日でした。
ありがとうございますw
#1145[2010/11/24 22:16]  ねみ  URL 

ポールさんへ

お誕生日いただきました。
本当に嬉しかったです、ありがとうございます。

ターニングポイント・・・ですね。
丁度半分です、多分w
#1144[2010/11/24 22:15]  ねみ  URL 

なにやら

こんばんは~♪

今回もスリリングな展開でしたね!とってもわくわくしながら読ませていただきました。

波音くんの出生には何やら謎がありそうだと思っていましたが、そろそろそのへんにもガッツリ切り込んでいかれるのでしょうか?
今後の展開から眼が離せなくなってきましたね♪

ところで、今日はネミエルさんのお誕生日だったのですか?おめでとうございます~♪♪
ポール・ブリッジさんからのお誕生日プレゼントも読ませていただきました。微妙におかしくて、久しぶりに笑わせていただきました(爆)
#1127[2010/11/14 20:18]  三宅千鶴  URL 

おおっ。

ターニングポイントか?

実は波音くんは。

どきどき。


ところで、うちのブログにお誕生日プレゼントをUPしましたので、よかったら持ってってください。
#1126[2010/11/14 17:56]  ポール・ブリッツ  URL  [Edit]














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