Twilight of midnight

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怪盗な季節☆ (長編)

怪盗な季節☆ 第二九話

「永久だ。
 一応返信はしたぞ、なんかようがあるなら電話で頼む。
 メール打つのメンドイ」

俺はさくさく入力してメールの送信ボタンを押した。


仁が横から画面の文章を覗き込みあわててメールを打ち始める。

「何打ってんだよ?」

「バカ野朗か、お前は!
 初めての人にあんなメール送るのかよ、普通!?」

どうやら俺のさっきのメールに対するフォローメールを打っているようだ。
まったくいらないことを。
っと、そういえば電話をかけてこいといったのはいいが
俺電話番号教えてないよな。
まぁ、いいか。
勝手に考えてソファーをぽむぽむ叩き、ストレスを発散させる。
すると携帯が鳴り始めた。
バイブの間隔が短い。
電話がかかってきたということだ。
「本当にかけてきたよ」という驚きと「面倒くさい」という気持ちがぶつかり合い
携帯を取らないでいようかと迷ったが心を固めて
いやいや電話の通話ボタンを押して耳に当てる。

「もしもし、永久ですよ、電話番号間違っていませんか?」

仁がおい!と怒鳴る声が聞えるが気にしない。
出来ればさくさくと終わらして欲しい。

《え、えっと…永久君ですよね?
 あ、あ、あの私…アリルです》

予想外に綺麗な声が携帯から流れてきた。

「えーと先ほどは失礼。
 気が立っていたもので、アリルというと…あの金髪さんですよね?」

《あ、は、はい。
 あの…それで…その…》

「どうなさいましたか?」

イライラを隠して敬語で話しかける。
自分から電話しておいて何もじもじしているんだ。

「さくさく言ってくださいな。
 俺そろそろ眠いんだけども」

嘘八百だけどもさっさと電話を切りたいのは事実。
女とかかわると大体ろくなことがない。
例えれば最終兵器とか最終兵器とか最終兵器とか。

《あ、あの……
 え!?
 ちょっと、詩乃さん!?》

は?
詩乃?
待ってください。
あの、鬼灯詩乃ですか?
答えを言うように受話器からすごい殺気を含んだ紛れもない
完全天然物の現代版リアル最終兵器、鬼灯詩乃の怒鳴り声が俺の耳に突き刺さった。

《波音!!てめぇ、女からの電話になんて口きいてんだ?あぁ?
 重大な発表があるから今電話してんのがワカンネェほど頭がおめでてぇのか?
 眠いだぁ?
 なに胸糞悪くなる発言してんだ、てめぇは?》

「いや、ちょ……!」

笑い声が聞えたので後ろを振り返ると仁が笑いを一生懸命こらえている。
笑い事じゃねぇよ!

《アリルがせっかく勇気振り絞って電話してんだ!
 ちゃんと聞けってんだよ!
 どうなんだよ!?
 返事は!?
 きこえねぇなぁ、反省してんのか!?
 返事しろ!!》

「はい!
 あの……なんかいろいろと……すいませんでした。
 はい、本当にアリルさんからの電話舐めてました。
 俺―じゃなくて、僕が間違っていました。
 はい、本当にすいませんでした」

《あやまるんなら、俺じゃなくてアリルにいいな。
 ったくどいつもこいつも……
 ほら、アリル…》

詩乃様の一人称が『俺』になってるよ…
かなり怒ってるよ…
少々間が開いた後、アリルのおずおずとした声が携帯から聞えてきた。

《あ、あの…》

「さっきはすいませんでした。
 しっかりと用件聞かせていただきます。
 なんでしょうか?」

丁寧に話しかける俺。
いつ詩乃が聞いているのかもわからないからな。

《す、好きです!!》

おぉう。
おとなしく聞いていたら夢みたいなこと言われたんですが。
これあれでしょうか?
最近流行のドッキリ!的なやつでは?
看板を探してきょろきょろするがあいにく見当たらない。

《その…永久君に似合う彼女になります!
 付き合ってください!》

「お、おぉお。
 おぉ、おおおお」

返事になるものもならない。
多分このときの俺は外から見てもかなり赤いはずだ。
顔が熱いからな。
ソファーに顔をうずめる。
仁にもこの顔は見られたくない。

《やったぁ!!
 ありがとうございます!!
 じゃ、ちょっとおかしくなりそうなので一度切りますね!!
それと次からは波音君と呼ばせていただいてもいいですか!?》

「おぉ、おおお!」

《ありがとうございますーっ!!
 では、失礼しました!》

最後の方はアリルの後ろから上がった歓声に打ち消されていたが確実に聞き取ることはできた。
さて、クラスの中の何人がこの事に一枚噛んでいるのやら。
プープーとノイズしか発さなくなった電話をしばらく放心状態で眺めPCをいじっている仁に話しかける。

「なぁ、仁…」

「ん、どうしたんだよ波音。
 顔が赤いぞ?」

「俺さ…」

「?」

「俺さ…告白されたんだ」

仁は一瞬ぽかんとしていたが

「そうか。
 アリルめ…うまいことやったな…」

最後の方はボソボソと小さい声だったがしっかりと聞き取った。
仁、お前まさか―

「こんな女嫌いをもらっていったいなんになるというんだか」

仁がさらに俺に聞えるような声で呟く。
皮肉のつもりだろう。

「ま、まさか俺告白されるなんてお、思ってなくてッ!
 こ、心の準備とかがッ!!
 どうしよう…もうOKって言っちゃったし…」

いまさらあせり始めた俺に仁はため息を一つ、二つ。

「ん、今だから言うけど
 アリルは学校が始まってからずっとお前のことが好きだった見たいだぜ?」

仁は頭を抱えて狼狽している俺に満面の笑みで話しかけてくる。
チラ見したから分かる。
あいつは、今満面の笑みだ。

「五人ぐらいから告白されていても全部断っていたらしいしな。
 アリルはとってもおとなしいやつでな、告白するタイミングを逃しまくるんだよ。
 びっくりするぐらいに。
 そうしているうちにシエラやメイナがお前と一緒に住むようになったりすることによって
 残された時間が残りわずかということに気がついたんだな」

まて、最後のほうがおかしいだろ。
俺がシエラやメイナに惚れるとでも?

「そして、泣きながら――ここ重要だぞ。
 泣きながら詩乃に相談して、その結果俺達みんなが協力することになったんだ。
 でもお前は持ち前の天然というかなんていうか力?で罠を次々に回避していきやがって。
 ハイライトにきちまったからには残された手段として電話で告白しか残っていなかったわけだ。
 ただでさえ俺達はバイトで学校に長いこといないからな」

仁に改めて言われて見ればそんなこともあった。
明らかにフラグをたてるためとしか思えないことがいろいろとあった。


?回想壱?


放課後の教室で俺は仁を待っているが来ないからいい加減に帰ろうと思い鞄を肩にかけた。
そのときにアリルが教室に入ってきて俺に話しかけたんだっけ。
忘れものを取りに来たという雰囲気だった。

「あの…」

「えっと、すいません。
 どちらさまで?」

「えーと、屋上の桜の…」

「あぁ!
 あの方でしたか!」

結局その後少ししゃべってからさようならと挨拶をして教室から俺は出た。
顔がえらく赤い人だなと思っていたがあれは…
夕日のせいではなくて…


?回想壱 終了?


「あー、言われて見れば」

「だろ?
 俺達はそれからもいろいろと苦労してんだぜ?」

仁はにこにこと笑みを絶やさずに俺を直視する。
ほかにもあったかなぁ、と再び俺は思考に没頭した。


?回想弐?


体育のときだった。
男女二人ずつのペアを作るときだ。
なんの恋愛漫画だよ、と内心つっこみつつシエラと組もうとしたら
すごいスピードで仁が奪い取っていきやがった。
そして遼の野朗がメイナと、綾と冬蝉。
詩乃が彗人兄さんと組んだからパチられた感全開で固まっていると声をかけられた。

「あの…よかったら私と組みませんか?」

「ん?
 あぁ、別にいいですけど?」

金髪ポニーと可愛かったのでまぁ儲けたかなぁと内心ニヤニヤしながら組もうとすると
やたら顎の長いシルクハットの奴が出てきて鼻息荒くアリルを掻っ攫っていった。
正直少し殺気が芽生えたかな。

「永久君!ちょ、やだ!!」

「仕方ない、そこら辺の奴と適当に組むか…」

「永久くぅーん!!」

アリルの悲痛な叫びはかすかに耳に残っている。
正直、助けようとは思わなかった。
あの後誰と組んだのかは想像にお任せする。


?回想弐 終了?


今思えば俺、ひどいことしてるかも。
それもかなりひどい。
他にもいろいろあるがよく覚えているのは後一つ。
しかもこれは少々自分にもトラウマが残る記憶なのだ。
変なことを言っていた気がするからな。
これは詩乃達が絡んでいないときのアリルの行動だろう。


?回想参?


あの時俺はパンと牛乳片手に屋上で昼食にしようと柵にもたれて空を見上げていた。
いいか春風が吹いていて木から吹き上げられた桜の花びらが風に舞っていたとき
アリルがやってきたんだっけ。

「あの、隣いいですか?」

「ん?
 あぁ、どうぞ」

この頃は入学してからまだ一週間ほどしかたっていなかったからか屋上で一人で飯を食うのが好きだった。
基本的には知らない人には敬語で話す俺はこのときも例外なく敬語で答えた。

「ここ、お気に入りなんですか?」

俺の隣でアリルは唐突に俺に質問を振りかけてきたんだ。

「いや今日は風が――
 風が綺麗ですので…」

「風が…綺麗?」

アリルは風を見ようとしていたのだろうか。
目を細めていた。

「花びらが舞っている事で風に色がついているでしょう?
 コバルトブルーの空と交えてとっても綺麗だなって…
 そう思うんですよ、僕は」

桜舞い散る空

少し臭いかな?と思ったが言ってしまったことは取り消せない。

「い、いわれてみれば…綺麗ですね…」

アリルはその綺麗さに気がついてたのか急に笑顔になった。

「秋になると風が赤くなり、冬になると風が白くなります。
 夏はどこからか潮の香りが漂って繰るんじゃないかと期待させられます。
 まぁ、街中なのでこないでしょうがね」

「これが日本の心…なのでしょうか?
 をかし、わびさび――すばらしいですね…
 今まで風を見るなんて考えたことなかった…」

俺は少し笑顔を見せることにした。
アリルに少し笑いかけ

「日本の心なのかは分からないですが…
 この気持ちが分かってくれたのはあなたが初めてですよ。
 日本人でもこれが分からない人が多いですからね…」

この時俺は、仁や遼を思い浮かべていたはずだ。
間違いなく。

「永久君…」

「なんで、俺の名前…」

「知っていますよ、なんていったって私がはじめて…」

とアリルが俺に微笑み何か言おうとした時に先輩達が登場したんだっけ。
なぜか目をつけられていたんだ。
もちろん速攻でボコボコにしたけど。
その後は先生達が来てもう大騒ぎ。
よく考えたらこれがアリルとのはじめての会話だった気がする。


?回想参 終了?


あー、なんか死にたくなってきた。
なにえらそうに日本の心語ってたんだ、俺。
この出会い方が一番幻想的だと思ったんだがどうよ?

「どう?
 いろいろと思い出した?」

「あぁ、お前らいつから絡んでたんだ?」

「放課後の教室からかな」

俺は桜の花びらが風に舞っている携帯の待ちうけを眺め

「余計なことを…」

と、つけたした。
携帯をソファーの上において伸びをした瞬間ドアがものすごい勢いでなりだした。
仁がビクッと、ドアを振りかえる。
俺もはじめビビったが一瞬で誰か分かった。

「あ?、多分セズクだわ」

俺がそういった次の瞬間だった。
やっぱりドアが木っ端微塵に吹き飛んだ。
誰か、彼にドアの開け方を教えてあげて欲しい。

「はのぉおおお?ん」

いつものゴキちゃん(黒くてしゃかしゃか素早く動きスリッパや新聞で叩き殺されるアレ)のように
しぶとい生命力と回復力を誇るセズクが弱々しく入ってきた。
文字通り滝のような涙を流している。
うん、なんかごめん。
今日は謝ってばっかりである。
陣のPC部屋にはしばらくセズクの嗚咽が響きそれをよしよしと慰める仁。
でも、セズクを泣かせる原因を作ったのはお前だぞ仁。
ようやく泣きやみ、涙で目を真っ赤に腫らしたセズクは痛々しくて見ていられない。
かなり、無様だ。
よろよろと肩を落として、時々ハンカチを目に当てながらPC部屋から去っていく。
自分のすべてをささげた結晶を粉砕された芸術家のように惨めで哀れな後姿を目に焼き付ける。
その前に、何しに来たんだお前。
泣きに来ただけか。
そのためにいちいち吹き飛ばされるドアが気の毒である。
この約二週間の間にいろいろなことが起こり去っていった。
後二日でこのハイライトから出て行き夏課外授業が始まったばかりの
今まさに夏真っ盛りの大塔高校にまた通うこととなる。
仁の部屋のソファーで唐突に眠気に襲われ窓から差し込んでくる光を眺めながら
俺は仁のキーボードの心地よい音を聞きながら目を閉じた。




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~ Comment ~


回想が面白かったー!!
そうそう、そうゆうことってあるよね。
とか頷いて読みましたよ、私
#565[2010/03/22 01:26]  ババノへソ子  URL  [Edit]

イラストのアリルちゃん、スカートが……きわどいっっっ!!wwww←
まずい…そういうところにしか目がいかないなんて佐槻、しっかりしろ汗

波音くんけっこうなロマンチストですねぇ~(∀`人)
個人的には二人の進展を願いますが、このままだとセズクがあんまり可哀想だし、もしうっかりアリルちゃんとセズクが接触しちゃったら万が一にも(アリルちゃんが)危険な目に遭わせられる可能性もありそうで……;;
なかなか平和なレンアイができませんなぁ波音くん('ω';A)
#564[2010/03/21 00:10]  佐槻勇斗  URL 

波音くん女泣かせですねー!(笑
アリル結構頑張ってましたのにw

でもセズク…次があるさ!
#563[2010/03/20 16:27]  祭 歌  URL 

アリルさん……。

相手が悪い。

シエラもメイナも曲がりなりにも最終兵器だから、殺されてしまいかねないぞアリルさん……。

これで実はベルカ帝国の帝位継承者の直系子孫で、シエラやメイナがアリルに対してシステム的に手も頭も上がらないとでもなったらまた面白くなるのだが……ねっ、ねっ、そうしませんか?(ジョークでつ)
#562[2010/03/19 17:22]  ポール・ブリッツ  URL  [Edit]

恋の予感?(笑)

こんにちは♪

さっそく読みに来させていただきました♪

波音くん、仁くんたちにうまくハメられてしまったようですね!
しかし、回想録を読ませていただくと、もともとの種は自分でまいていたようだし、ま、自業自得というところでしょうか?(笑)

アリルちゃんはこれまで登場の女子に比べて普通の女の子っぽい感じですが、これからお話にどんな形で絡んでくるのか楽しみです。ふつーの恋バナになってしまうわけないと期待していますよ(笑)

それにしても、セズクがかわいそう・・・。
セズクにも似合いの男の子が現れてくれるといいですね♪

それではまたお邪魔させていただきます。
今回も素敵な小説を読ませていただきありがとうございました♪
#561[2010/03/19 14:24]  三宅千鶴  URL 














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