Twilight of midnight

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しゃくでば! 女のキレ 

しゃくでば! (短編)

チャイムが鳴る。
時はお昼休み。
今日も仁や遼たちと机をあわせて
男だらけのお弁当つつきである。

「ん?
 そういや、シエラとメイナは?」

仁が毎回入っているから揚げを噛み噛み言った。
あぁ。

「なんか年に一度だけ販売される幻の
 チョコバナナケーキを高速で買いに行ってるぞ」

うん、たしかそうだったと思う。

「なんだ、そのチョコバナナケーキとやらは。
 うまいのか?」

「なんでも、材料がこりっこりにこだわっているらしいぜ。
 生クリームはもちろん北海道産。
 カカオは現地から選りすぐりの……」

ガラッ!

「波音!
 波音!!
 僕勝ったよ!!」

お、それはよかったなぁ。
超古代文明の最終兵器でもこういうところは女子なんだなぁと
しみじみと考えてしまう。
わはーと笑いながらチョコバナナケーキをすりすりするシエラ。
中のクリームこぼれれば楽しいことになるのになぁ。

「食べる前に手洗ってこよっと」

そういってシエラはチョコバナナケーキを自分の机の
上に置いたと思うとマッハで教室から出て行った。

「マンガとかでさ」

ん?

「なんだよ急に」

「よく楽しみを後にとっておくキャラいるじゃん?」

いるいる。

「そういうキャラってさ。
 大体他の奴らにその楽しみ奪われるだろ?
 だからシエラもひょっとして……」

ははは。

「んなわけねーだろ。
 よく考えろよ、仁。
 ここは現実だ、マンガやアニメとはワケが違うんだぜ?」

笑い飛ばした。

「ふんふん、僕もそう思うしゃくよぉ~。
 やっぱカレーには干し葡萄しゃくね~」モゴモゴ

話に割り込もうとするその姿勢は認める。
だけど話が神がかかってるぐらいかみ合ってない。
神だけに。
俺死ねばいいのかもしれない。
ん?
なんかモゴモゴ言ってなかった、さっき。

「おまっ、それっ……!」

「あぁ、これしゃく?
 シエラの席の近くにおちてたんしゃくよぉ~」

はしゃいでいる誰かが落としたんだな。

「だったらシエラのものってすぐ分かるよな?
 お前なんで平然と食ってんだよ」

仁が反撃する。
それそれ、俺もそれ言いたかった。

「しゃくぅ?
 落ちてるものなんて誰のものでもないんしゃくよ?
 ただ拾ったやつのものになるだけしゃく。
 これは僕が拾ったんしゃくからもう僕のものしゃく」

あのなぁ……。

「いいか?
 このご時世そんなものが通じるわけねーだろクソ顎。
 シエラが来たらどうなるかぐらい分かるだろ?」

「残念。
 もう来てる」

ドアを開けて呆然と立ち尽くしている。
そのシエラの目は美鶴の手の中にあるチョコバナナケーキの
パッケージに釘付けだ。
すると美鶴は肩をすくめ、やれやれのポーズでシエラに向かって
ゆっくりと威厳を漂わせながら歩いた。
クソウゼェ。

「まぁまさ、シエラ落ち着いて考えるしゃく。
 君もアホじゃないんしゃくからわかるしゃくよね?
 コレは落ちてたんしゃくよ?
 君の席の近くに落ちていただけしゃく。
 つまりは誰の物でもないんしゃく。
 分かるしゃくね?」

「僕のチョコバナナケーキ……」

シエラ、放心状態でそれだけ呟く。

「落ちたものはただ拾った人のものになるだけしゃく。
 拾ったのは誰しゃく?」

「僕の……チョコ……バナナ……」

「そう!
 僕しゃくよ!
 ならコレは誰のものかわかるしゃくね?
 ヴぉく(僕)しゃくよ!
 つまりは僕に食べても良いという権利が与えられたということしゃく。
 だから――」

「うっ……うぅっ……」

お、おい、美鶴。
シエラ泣いてるんじゃないのか……?

「んん~?
 も・し・か・し・て・泣いてるしゃくかぁ?
 でも今回は悪いのは僕じゃないんしゃく。
 ちゃんと落とさないようにしてなかったチ・ミ!
 つまりシエラが悪いんしゃく。
 まぁ普段は僕に暴力しかふるわないシエラの泣き顔なんて
 レアしゃくから特別に許してやるしゃく。
 ん~?
 鬼の目にもなんとなら。
 その面を拝んでやるしゃく~」

嗚咽をあげているシエラの顔を覗きこむ美鶴。

「ひっ、しゃぁああっ!?」

シエラは美鶴の顎をがっしと掴んだ。
そのまま物凄い勢いで足をピッチャーのように高く上げ
教室の壁に向かって美鶴を投げた。
というよりたたきつけた。
その時間コンマゼロ以下のスピード。
下着も見えやしない。
そのままシエラは美鶴を何度も何度もたたきつけた。
悲鳴が聞えないのはおそらく……。
いや言うまでもない。
地獄の蓋は開いたのだ。
最終的に美鶴はゴミ箱(燃える方)に叩き込まれた。
それでもまだ足りないのか
全体が入るまでにぎゅーっと押し捲るシエラさん。

「ちょ、シエラやめなって!
 汚いから!」

メイナが両腕をひっぱってようやくシエラは収まった。

「うぅ、姉さん……。
 僕……、僕の……」

そのまま姉に抱きついて泣きじゃくる。

「分かった分かった、私の半分あげるよ」

シエラの頭をよしよししながら姉の威厳(といっても双子)を見せ付けてくる。
いやはやそれにしても
今日は非現実的なことばかりが起こるなぁと。
そうおもった日であった。





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