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新コーナー開設のお知らせ 

オリキャラの囁き(SS)

この『オリキャラの囁き』は主に

月曜日、火曜日、木曜日、土曜日に

ランダムに入ると思います。

ねみの気が向いたらやってるコーナーなので

余り期待はしない方がよろしいかなぁ……と。

一回更新を五分をめどにしているため

短いです。

でもあのキャラの後ろ、こいつの裏なんかが

垣間見ることができるかもしれません。

主な登場キャラクターは蒼、波音、セズク、シエラ、メイナ。

美鶴、出刃先輩、桐梨先生……など。

小説の中にいる人物なら出てきます。

時事ネタ、パロネタなんかが結構あるかもしれません。

ではどうかお楽しみください。
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新コーナー開設のお知らせ 

ショートの集い (短編集)

このコーナーも「オリキャラの囁き」と同じく

月曜日、火曜日、木曜日、土曜日をめどに

更新して行きたいと思う。

勉強の邪魔にはならない程度にがんばるつもりです。

気が向いたら書こう!ってコーナーです。

どうかよろしくしてやってください。

前々からポールさんやマルさん、ヒロハルさんを見て

やりたいと思っていたんです。

アイディアはこれから考えます。

ストレス発散になるといいなぁ。
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医務室にて  

いただきもの

ベルカ超空制圧第一艦隊の旗艦である超空要塞戦艦《ネメシエル》の副長、空月・N・蒼中将は母港であるコグレへと無事帰還した。
 今日も敵国の都市を焼き払ってきた。いつも通りに。
 もはや戦闘は作業にしかすぎなかった。
 だいぶ気の滅入る作業だ。
 それが人の命を奪うから、でなくなったのは一体いつからだろう。
 例えば、そう、何百、何千とあるエアパッキンをひとつずつ潰すような単調なその作業自体に嫌気がさしていた。
 ただ今は宿舎のベッドに入って眠りたかった。
 だが、そうもいかない。
 蒼が向かったのはコグレ基地にある医務室。正確に言うならば……
 なんでしたっけ。
 思い出すのも億劫だ。
 とにかくそこは蒼ら大型艦艇“核”専用の『医務室』。
 そして彼女をほがらかな悪意で迎え入れたのは部屋の主、フール・ブラド。肩書きは科学技術局特殊戦術研究部部長。軍へ出向している今の肩書きは戦艦核用医務官でもある。
 細いフレームの眼鏡の奥には感情を見せない細い眼。顎も鋭角的でシャープな印象だが、悪意に満ち、両端が上がった口は大きい。
 顔と同じく体にも贅肉はもちろん筋肉すらあまりついていなさそうな痩せ型。潔癖症じみた真っ白の白衣の下に着ている衣服は常に黒いシャツとスラックス。
 茶色と赤を混ぜたような色の髪は長く、背中の中ほどまでで波打っている。それを無造作に首の後ろで括っていた。
 蒼からすればこの男は、唾棄すべき悪魔以外の何者でもない。だが彼の宿舎からは毎朝違う女性が出て行くという……。
 こんな世の中だから、私が都市殲滅戦なんてやってるんでしょうね。
 自嘲する。
「おー、また大勢人殺ししてきたんだってな」
 案の定、ブラドの第一声がこれだった。
 本当に悪魔なのではないか、と蒼は彼の頭に角、足元に尻尾を探すがそれは見当たらない。
「それは戦場から戻ったものに対する言葉として相応しいとは思いませんが」
 疲れていた。こんな男の相手をしている体力はない。
「おやおや。艦艇の部品の分際で。随分人間らしい言葉を吐くもんだね」
「……ドクター・ブラド」
「フールでいいよ、部品ちゃん」
 ファーストネームなどで呼ぶつもりは蒼には毛頭ない。
 というか絶対偽名だろうし。
「私は国法第七十九条『人工生命対及び擬似生命体の権利』により人と同等の扱いを受ける権利を保障されています」
「物知りだねー。《ネメシエル》のデータバングに入ってたの?」
「……機械扱いはやめていただきたいのですが」
「了解了解、部品ちゃん」
「……」
 蒼はまじまじとブラドを凝視。彼の目の奥は深い錆色で、ちっとも表情が読めない。ただ、笑っていないのはわかった。
 先に目を逸らしたのは蒼だった。
「あれー? 部品ちゃんでも気まずくなるんだ。さすが科学技術局。感情プログラミングもバツグンだね」
 ブラドの言葉はいちいち蒼の心を逆なでする。
 それにいちいち反応していては、こっちの心がもたない。
 蒼は『医務室』に入り、いつものようにベッドに横になった。
 戦闘後にはいつも行っている、
「メンテだね」
「ただのバイタル確認です」
 スキャニング機能のあるベッド。横になればすぐに脈拍から血圧、心電図から各種電気的な不具合までチェックできる。大型艦艇“核”専用の装置であった。
 戦闘が“核”の本体にどのような影響を及ぼしたのか、軍部は細部までデータを採取する。実戦に投入されているとはいえ、蒼ら“核”の運用にはまだデータが圧倒的に不足していた。
「そうだねー、たとえば戦闘中に“核”が死んだ場合とか? まだそのデータはないなぁ」
「実現不可能な状況のデータは採取不可能と考えられますが」
 なにいってんの、とブラドは嫌らしく笑う。
「あの戦艦は無敵の殺戮デストロイヤーだけどね。生物を殺す方法なんていくらでもあるさ」
 毒殺・薬殺・絞殺・刺殺……。
「いまでこそ部品ちゃんはお国のお偉方から、かわいいかわいいお人形さん扱いされてるけどね、あと何年もしないうちに部品ちゃんより賢くて強い別の船が出てくる。そうしたら、部品ちゃんはその『実現不可能』なデータをとるための実験台に成り下がるとも限らないよ」
「……」
「そうしたら、まず肉体的苦痛からいってみようか。四肢をもがれてもデータ上では“核”として機能できるって話だけど、本当かな? あとは精神的なボロボロにしてあげる。心を壊す方法なんていくらでもあるんだからね。その前に、部品ちゃんが女の子として作られたのを後悔するようなことをいっぱいしてあげよう。知ってる? 部品ちゃんって軍の一部から異様に人気があるんだよ。底なし沼のような恥辱に浸からせてあげよう。そのあとは麻薬かな。完全に部品ちゃんが今抱えている人間としての尊厳なんてものを根こそぎにしてあげる。そんな状態でも“核”として機能するのかな? もしもそうだったら、部品ちゃんたちは全員お払い箱だね。だって、人工的に人間の脳だけ作り出して、そのまま船に乗せちゃえばいいんだもん」
 蜜のように蒼の鼓膜には黒々とした悪意の言葉が垂れてくる。
 瞳を閉じてそれを聞いていた青は絞り出すように口を開いた。
「……ドクター・ブラド」
「なにかな」
「あなたのそれも、私を試すテストですか」

 ブラドは、おや、と肩眉を上げる。
「良く分かりましたね、蒼中将」
 初めて蒼を名前で呼んだブラドは、銀のフレームの眼鏡を押し上げた。
「もっとも、あなたであればもっと早く気付くべきだったと思いますが」
 口調と態度を改めたブラドは、彼本来の肩書きである科学技術局特殊戦術研究部部長に相応しいように見えた。驚くべきことだが。
 なんだか優しそうな人間にすら見えてくる。
「私たち“核”が、人間から悪意を向けられたときにどのような反応を見せるか、ですか?」
「端的に言えばその通りです」
 まだまだ“核”にはデータが足りないのだ。絶対的に。
「……だからって、科学技術局特殊戦術研究部部長が自ら行うこともないと思いますが」
「ご協力、感謝します」
 そう言って微笑むブラドの顔には、先ほどまでの悪意は欠片も見えなくて、それが逆に蒼の神経に障る。
「それで、私の反応はどうでした?」
「それは私の判断するところではありません」
 悪意はなくなったとは言え、ブラドの笑みからは相変わらずなんの情報も読めない。

 なんだかなぁ、と思っていると、蒼が横たわるベッドからピピ、と電子音。スキャンが終了した合図だ。
「はい、もう結構です」
 蒼は少し息を吐き、それから身を起こしてベッドから立ち上がった。
 いつもに増して今日は疲れた。
 早々に部屋へ戻って休もう。
 ブラドへ軽く会釈し、踵を返そうとしたとき、
「そうそう」
 と、ブラドは蒼のバイタルデータを確認しながら、ちらりと彼女を見る。
「次回から、担当医務官が変更になります」
「そうですか」
 妥当な話だ。蒼に対するこの手のデータ収集が終わったのだろうから。
「ではいままでお世話になりました」
 科学技術局から出向していたブラドも古巣へ戻るのだろう。軍部とは係わりの深い局だが、いままでのように頻繁に顔を合わせることもあるまい。
 蒼としては、金輪際ぐらいに見たくない顔であるのは間違いない。
 それにしたって今まで係わりあったことに変わりはない。
 当たり障りのない言葉で軽く頭を下げる。
「いえいえ。こちらこそ中将にはいろいろと不愉快な思いもさせてしまいまして」
 蒼よりも深く深く頭を下げるブラド。
「あ、それから、これは老婆心ながら申し上げるのですが……」
「なんです」
「今回のケースでお分かりのように、中将へ接近するものは全てなんらかの実験データを採取する目的を持っていると思われた方が妥当です」
 どきり、と蒼の心が跳ねた。
「……と、おっしゃいますと?」
 じわじわと、胸の奥に重く黒いもやのようなものが溜まっていく。
 そんな蒼の心境を知ってか知らずか、ブラドは顔に心配そうな表情を貼り付けたまま、つらつらと言葉を吐いていく。
「ですからね、私は『悪意』でしたが、『善意』『好意』『友情』『思慕』……そういった、プラスの方向の意図を持って接近してくるものたちは、全て実験データを採取するために近付いてくると思われた方がよろしいですよ」
「……」
「ああ、これは人間に限ったことではなく、中将と同じ“核”であってもかわりません。彼らも所詮軍部の人間ですからね。指令であればどんな任務にも拒否権がないのはお分かりでしょう」
 蒼はブラドを見た。
 まだ、『悪意』に対するデータ収集は続いているのだろうか。
 それとも、この人間は本当の『善意』とやらでこんなことを私に言っているのか……。
 わからない。
「ご忠告、感謝します」
 掠れた声で足早に医務室を後にする蒼。
 これ以上、あの人間と一緒にいるとそれこそ気がおかしくなってしまいそう。
 口元を手で軽く押さえながら、蒼は自室へと足早に向かう。
 途中ですれ違う兵士たちに会釈を返すことも忘れていた。
 あの乾いた血のような、ブラドの錆色の目を見ていると、足元が崩れてしまうような錯覚がしていた。


 閉じた医務室の扉。
 それを見ながらブラドは笑った。
 悪魔のように。




 シリアス版です。「蒼ちゃんは孤独な戦いをしているのかー」と思っていた時期が私にもありました。←
 そんなわけで彼女にはまっっったくもって冷血な仕打ちになったわけです。ごめんね、蒼ちゃん! お願いだから千葉県に照準を合わせようとしないで…ッ!
 なんだか「ドSとはなんぞや」「言葉攻めとはなんぞや」とか思いながら書いたよーな気がします。
 あは! その時点でもうアウトだね!←

 ……ほんとすみません。ひとさまの娘を傷物っぽい感じにしてしまってホントに…<(_ _*)>




ミズマ様からいただきました。
なんということだっ!!

ありがとうございました。
シリアスな蒼さんも素敵です。
感激しました。
そしてこやつ嫌なやつだな……!
俺の蒼さんに何してくれてんだおらー!

……こほん。
本当にありがとうござました。
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範子と文子と俺とシエラと蒼と三十分しゃくでば! FIGHT second 

ささげもの

「はぁ?」

宇奈月範子は机の上でため息を一つついた。

「どうしたの?」

すらっと美人な黒髪の下川文子はいつもの親友のため息に
呆れることなく聞き返した。

「ねぇ、文子」

「?
 どうしたの、範ちゃん」

「隣県の大塔高校って知ってる?」

「知ってるけど……?
 あの原因不明の事故でよく壊れたりする場所でしょ?」

公立高校にもかかわらず実質財閥の傀儡理事長などが立てられたとかで
一時ニュースにもなった学校のことだ。
他にもその高校の上にて戦艦とか空飛ぶ人だとか。
顎がやたら長い人だとかそんな不思議なスポットと化している高校のことである。

「もし、そこに一瞬だけ入学できるとしたら……。
 行ってみたくない?」

肘をついて足をぶらぶらさせる範子に文子は我慢強く聞き返す。

「どうして?
 行ってみたいのは山々だけど。
 別にこのままでも……」

またいやーな予感がすると訴えている胸のうちを見ないように蓋をする文子を無視するかのように
範子は無残にもその蓋を砕く一言を発するのであった。

「私が暇なのよね?……。
 それにもうここ大塔高校だし?」

さて……帰るか。
って――は?

「うわっ!?
 だ、なんだ、急に!?」

俺、永久波音はビックリしている。
放課後、さて帰るかと思った瞬間教室の真ん中に二人の女の子が現れたからだ。
しかも可愛い。
一体どなた?

「波音?一緒にかえろぉしゃく?」

ガラッと扉が開き、顎――いや美鶴か。
美鶴が現れた。

「キャーッ!!?」

超可愛い見知らぬ黒髪の方の女の子から悲鳴が上がると同時に美鶴が宙を待っていた。
蹴られたみたいです。

「じゃががぁ……」

頭をぶつけ昏倒する美鶴はさて置き。
とりあえず激しく動揺している女の子達に話しかけることにする。

「だ、大丈夫ですか?」

「あ、あんた誰!?」

金髪の方の女子がもう一人の女子の第二撃をとめようと必死になっている。

「ふ、文子……落ち着きなさいっ……て……ばっ!
 アレは化け物じゃない!
 れっきとした人間よっ!!」

俺は手伝ったほうが良いのだろうか。

「範ちゃん、私もう限界。
 今まで作者の意志で色々なところへ飛ばされていたけど
 今回ばっかりは無理」

「今回書いてる作者は別人だから落ち着いて!
 大丈夫だから!」

黒髪の女の子が落ち着くまで俺は本を読むことにした。

「しゃくぅ……」

あ?こいつどうするか。
まいいや、無視一色で。

   ・
   ・
   ・

「で、改めて聞くけど大丈夫?」

「は、はいなんとか……」

「あんたは?」

「私は別に暴れてないわよ?
 机の二つぐらいは壊したかもしれないけど」

人はソレを暴れたといいます。

「範ちゃん、私どうしても聞きたいことがあるんだけどいいかな?」

「いいわよ、どんどん聞いて頂戴。
 答えれる範囲で答えるから」

「ここはどこ、この人は誰、そして今は平成何年、何月何日なわけ!?」

範ちゃんと呼ばれたほうの金髪の女の子は少し悩んだようだ。
目を逸らして考えているみたい。

「文子。
 物事には順序があり結果があるの。
 たまたま今回は順序の選択肢を間違っただけ。
 そう思うことにしない?」

「範ちゃん……それ現実逃避っていうんじゃ……」

おい、誰か助けてくれ。
この文子とよばれた女の子がつっこみらしくて俺がしゃべれない。

「今は第二期二〇一二年十一月十二日。
 そこの女っぽい顔した男は永久波音。
 ひっくり返っているのはうんこ」

「なんだ、詩乃かえっt「詩乃!?」

俺の出番を消しさりやがって……。
なんだってんだ、畜生っ!

「久しぶり、宇奈月範子。
 まさか忘れてないでしょうな?」

教室のドアにもたれかかり長い髪を掻き揚げた少女。
鬼灯詩乃はにやっと笑って範子を見た。

「範ちゃん、知り合い?」

詩乃のにやけた顔を少しにらみながら範子が答えた。

「同じ財閥のお嬢様同士の腐れ縁よ」

ぷいっとそっぽを向くと口から泡を吹いている美鶴に範子は手を伸ばした。

「大丈夫?」

「ん……いてて……しゃく……。
 痛いしゃくっ!!
 お前らはだぁれしゃく!!
 いきなりヴぉくを蹴っ飛ばすなんてアホしゃく!!
 バカしゃくっ!!おろかしゃくっ!!」

脅威の運動能力で跳ね起きた美鶴に唖然とする範子。
ここまですごい勢いで罵られたことなど財閥のお嬢様とあっては一度も経験がなかったに違いない。

「私はしらねーから」

詩乃は床に置いた鞄を拾い上げるとさっそうと姿を消した。
ただ単に巻き込まれたくないという気持ちがそうさせたに違いない。
そうここまではエピローグのようなものだ。
今からが始まりなのだ。

「もう僕は怒ったしゃくっ!!
 蹴っ飛ばしたのはそこの黒髪のおにゃのこしゃくね!?
 罰として……」

俺の視界からさっと美鶴が消えた。
恐るべき速さ。

「パンツ見せるしゃくーっ!!」

「キャーッ!!」

「文子!!」

美鶴の手が物凄い風を引き起こし文子のスカートがめくれた。
そしてばっちり見えた。
なるほど、いい色である。
言わないけど。

「範ちゃん……私……汚されちゃったよ……」

泣き崩れる文子。
そりゃショックだろうな。

「しゃっしゃっしゃっ……!!
 次はお前しゃくっ!!!」

美鶴はひゅばっと空を飛び範子に襲い掛かった。
だが範子はソレを避けもせずに美鶴をはじく。

「なっ……しゃく」

「宇奈月財閥の科学力を舐めないでね?
 コレは対人シールド……。
 並大抵の力じゃ……」

「ふん、しゃく」

パリーン。

「えっ……!?」

範子さんを覆っていた薄い青色のバリアが美鶴のパンチの前に砕け散った。

「ま、まだよっ!!」

続いてポケットから出してきたボタンを押すと校舎の天井が崩れ
空から降ってきたミサイルが美鶴を襲う。
次々と。

「まだまだっ!!」

次々次々と。

「よくも文子をっ!!」

次々次々次々と。

「許さないんだからっ!!!」

次々次々次々次々と。
もうもうと立ち上る教室中央部。
爆風の影響とか細かいことはギャグだからスルーする。

「砕け散ったわね。
 文子、大丈夫だった?」

「範ちゃん……」

「何?」

「ごめんね、私のせいで……」

「いいのよ、あなたを守りたかった……。
 ただそれだけなんだから」

ここでタイタニックのメインテーマ。
流してもいいんじゃねーかという雰囲気。
俺は完全に空気。
もう二人でやっておいてくれ、俺は帰る。
そうやって夕焼けが映える教室の中で愛というか友情のポーズをしている二人に背を向けた。
だがここで物語りが終わるワケがないのである。

「ぜーんぜん痛くないしゃくよ?」

煙が切れその隙間から美鶴もとい顎のシュルエットが浮かび出る。

「こんなパンチ、シエラのレーザーに比べたら全然痛くも痒くもないしゃくっ!!」

ぽりぽりとお尻を掻きながら煙の中から這い出してくる美鶴。
今回はやたらしつこい。
特別verだから張り切っているのか。
そして短編にしては異様な長さになりつつある。

「次は僕のターンしゃくっ!!」

美鶴が唖然としている範子さんに襲い掛かるため姿を消した。
何で今回こいつこんなに強いの?
あー特別verだからか。
すべては特別verだからで済ませることが出来る。

「スカートぺろりんするしゃくっ!!」

範子さんの後ろに現れた美鶴が次の瞬間上からのレーザーにぶち抜かれた。
校舎がすっぽりと覆われるぐらいの影が上空から伸びている。
そう超空要塞戦艦ネメシエル。
ソレがいま美鶴を正確に、逃がすことなく射止めた瞬間だった。

「じゃべりんがごぐげしゃぁあああ」

顎に穴あけてもだえる美鶴。

「大丈夫ですか?
 詩乃姉様から連絡を受けてやってきました。
 間にあってよかったです」

いつの間にか教室の中に立っていた空月・N・蒼があまりの急展開さについていけない二人に声を掛ける。

「文子……私何がなんだか……」

「範ちゃん、私も何が起こっているのかわからないよ……。
 ただ、この世界ではコレが普通なんだなってことは……」

「文子……。
 私ね……この物語が終わったら思いっきりポールを殴ろうと……」

「あわわ、駄目だよ範ちゃん!
 これはポールさんが書いたんじゃないよ!」

「えーっと……すいません。
 私場違いでしたか?」

申し訳なさそうに蒼が二人に謝る。
あわてる二人。

「大丈夫よ、私達あなたのこと知ってるから、ね文子」

「そうだよ?
 あの超空要塞戦艦の副長さんなんでしょ?
 蚊に刺された……」

ん、何?
何の話?

「蒼、何の話だ?
 蚊って……」

「……あまり聞かないでください」

黒歴史なのかもしれない。
とりあえず黙っておこう。
分かる方には分かるんだろう、きっと。

「あ、あおぉぉお!!!
 もう絶対に許さないしゃくよ!!!」

顎の穴がいつの間にか消え去り体力、体勢すら立て直した美鶴が
血走った目で油断していた蒼の首根っこを掴んだ。
おい、それはヤバイんじゃないか?

「くっ……ふ、不覚ですっ……」

そのまま十四歳という幼さもあってか蒼の体が持ち上がる。

「波音……?
 助けなくていいの?」

ショッキングな映像を見てしまった文子が俺に恐る恐る聞いてくる。

「……悪いが今回俺はあいつに勝てる気がしない」

得体の知れない何かが美鶴を取り巻いている気がしてならないのだ。
狂気すら感じる。
だがそんなことを言っている暇ではない。
蒼が危ないのだ。

「まぁやってみるさ!
 うぉぉぉっ!!」

俺は勢いよく蒼を掴んでいる美鶴の腕にタックルをかました。
悲鳴を上げた美鶴の腕が蒼を離す。
首を押さえて咳き込んでいる蒼の前に立ちはだかり盾となる。

「邪魔するしゃくね?
 いくら波音でも許さないしゃくっ!!」

「俺の通る道がある。
 その道にお前という邪魔が入った。
 だから排除する。
 ただそれだけのことだ」

ザ・中二病。
こうやってかっこいい台詞を言った後って言うのは大体こう……さ。
分かるだろ?
勝つんだよ。
ソレが世界の掟だろう?

「なっ、早いっ!?」

「波音!」

ああ、範子さんの声が遠く聞えます。

「範ちゃん、どうしよう!
 私の蹴りのせいで気がついたらバトル漫画みたいな展開になってるよぅ!」

「だ、大丈夫よ、問題はないはずよ!
 きっとポールなら何とか……」

「だからポールじゃないんだって、範ちゃん!」

うだうだ言ってないで助けてくれよ……。
俺これ絶対に負けるって。

「しゃああっ!!!」

俺の首に美鶴の腕が伸びてくる!
ソレを掴もうと右手を伸ばすが……少し遅い。
間違いなく間に合わない。
――殺される。

「待たせたね」

耳元で頼りになる最終兵器の声が響いた。
首にスローモーションのようにゆっくり伸びてきた美鶴の腕が別の腕に掴まれ――止まる。
その腕が青い光を発し美鶴を掴み、腕を捻る。
それだけで勢いのついた体は吹っ飛び机を蹴散らして教室に倒れた。

「シエラ姉様!」

蒼の歓喜の声に答えるように右手を上げる最終兵器。
黒稀銀髪の長い髪が風を孕み流れる。
赤紫の瞳は美鶴を警戒しつつも範子と文子をしっかりと捕らえていた。

「君たちが磁場のゆがみから現れた二人だね?
 宇奈月範子と下川文子。
 僕はシエラ。
 シエラ・F・D」

「しゃああっ!!」

机を気合で吹き飛ばし掴みかかってきた美鶴をひらりと避け肘鉄を一発顔面に叩き込む。

「何が起こったのかはよく分からないけど元の世界に君たちは戻らなくちゃいけない。
 意味分かるよね?」

来ていきなり何を意味不明なことを言っているんだ、こいつは。

「つまり私たちは隣県の大塔高校に来るつもりが……」

「平行世界の別の大塔高校に来ちゃったってこと?」

俺にはさっぱりワケがわからないがとにかくすごいことだろう。
次元を超えた旅をこの二人はしてきたのだ。
道理でこの世界の住人にしては……ってん?

「ちょいまち、何で詩乃さん知ってたの?」

「だから、平行世界だっていってるでしょ?
 つまりパラレルなの」

範子さんが説明してくれるけどさっぱりだ。

「??」

俺がバカなのか、こいつらが賢いのかどっちなんだ?

「シエラまでっ!!
 なぜか今の僕はとても強いしゃくよ? 
 ボコボコにされてもしr」

「うるさいから少し黙っててね☆」

シエラは美鶴の顔を掴むと

「えいっ♪」

窓の外に放り出した。
窓ガラス割れた。

「しゃああああああああああ………」

長い雄たけびの後にドスンと接地の音が――しない?
まぁいいや。

「はい、片付け終わり。
 っと……!」

夕焼けで赤く燃えている空にヒビが入った。
はじめて見る現象だ。

「文子……空が……」

「君たち二人がこの世界にいることによって
 この世界に君たちはそれぞれ二人ずついる計算になる。
 つまり今あの空はこの世界のバランスが崩れつつあるということ。
 分かるかな?
 そして今から僕が次元雲を超えてもとの世界に君たちを戻す。
 今ココで見たことすべては悪い夢だと思ってくれると嬉しいかな」

急にヘビーな話だな。
ねみが何とかして話にオチをつけようと必死なのが伝わってくるぜ。

「それじゃ、準備はいいかな?」

「私はOKよ。
 文子は?」

「当然OKだよ!
 えっと、シエラさん……だっけ?
 ありがとう」

なんだろう。
時間にしてほんの二十分程度しか関っていないのにこんなに別れが惜しい。
まるで前々から知っていたような……。

「蒼さんに……」

「私は……まだ修行が足りません。
 美鶴なんかに不覚でした」

「………………」

お、俺の方を見てるぞ
感謝の言葉か?、照れるな?。
俺別に何もやってないけどな。

「…………えーっと?」

「波音だよ!!!
 いいよ、どうせ今回は出番なかったよ!!」

俺が突っ込む最後の瞬間二人はシエラと一緒に消えた。
青い光とともに。
平行世界の俺とでも仲良くなって欲しいものだ。
そう思ってあちこち崩れた教室を見て苦笑した。

「こらーっ!!
 永久!!」

「ちがうっす、先生!
 俺じゃないっす!!」

   ・   
   ・
   ・

「範ちゃん、起きてよ」

「ん……」

「範ちゃんってば!!」

「あら、文子。
 おはよう」

二人は教室で目を覚ました。
机の上の涎的に考えて寝ていたに違いない。

「もうこんな時間……。
 帰らなくちゃね」

範子は唇をぬぐい鞄に荷物をつめこみ始めた。
その一方文子はなにやらぼーっとしている。

「どうしたの、文子」

いつもは文子が範子に言うはずの言葉を今度は範子が文子に言った。

「範ちゃん……。
 私……なんかとても嫌な夢を見た気がするの」

「奇遇ね、私もよ」

「そしてね、次の日曜日に行きたい場所があるの」

「またまた奇遇ね、私もよ?」

「じゃぁせーので言おうよ?
 せーのっ!!」





おまけ

「ここはどこしゃくぅ??
 僕は顎しゃく?」

美鶴はただただ暗闇の中を歩いていた。
地面に落ちる寸前に別次元への穴が開いたのだろう。
その中に見事この男ははまってしまっていた。

「もういやしゃく?!!
 調子に乗った罰しゃく……か……」

トボトボと暗闇の中を果てしなくさまよう美鶴だった。
ちなみにこの五分後便所から顎が生えるという珍事件が起こるなんて
誰が予想したであろうか。
これにて落着だな。






うわーーーーーーーーーー。
おもしろくねぇーですね。
すいません、ポールさん。
これが限界でした。
誤字脱字があったり気に入らない部分があったら修正してくださってかまいません。
僕は逃げます。
駄作ですいませんがよかったらお持ち帰りいただくなり
焼くなり煮るなり好きにしてください。
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気まぐれ陽天楼 

蒼さんのお話 (短編)

「で、私が呼ばれたと。
 司令部からの命令は?
 ……。
 私がですか?
 はい、分かりました」

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作品のご案内        --.--.-- ~  執筆

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 オリキャラの囁き(SS) 

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作品のご案内        2011.08.16 ~  執筆
この『オリキャラの囁き』は主に月曜日、火曜日、木曜日、土曜日にランダムに入ると思います。ねみの気が向いたらやってるコーナーなので余り期待はしない方がよろしいかなぁ……と。一回更新を五分をめどにしているため短いです。でもあのキャラの後ろ、こいつの裏なんかが垣間見ることができるかもしれません。主な登場キャラクターは蒼、波音、セズク、シエラ、メイナ。美鶴、出刃先輩、桐梨先生……など。小説の中にいる人物なら出...

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 ショートの集い (短編集) 

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作品のご案内        2011.08.15 ~  執筆
このコーナーも「オリキャラの囁き」と同じく月曜日、火曜日、木曜日、土曜日をめどに更新して行きたいと思う。勉強の邪魔にはならない程度にがんばるつもりです。気が向いたら書こう!ってコーナーです。どうかよろしくしてやってください。前々からポールさんやマルさん、ヒロハルさんを見てやりたいと思っていたんです。アイディアはこれから考えます。ストレス発散になるといいなぁ。...

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作品のご案内        2010.12.21 ~  執筆
ベルカ超空制圧第一艦隊の旗艦である超空要塞戦艦《ネメシエル》の副長、空月・N・蒼中将は母港であるコグレへと無事帰還した。 今日も敵国の都市を焼き払ってきた。いつも通りに。 もはや戦闘は作業にしかすぎなかった。 だいぶ気の滅入る作業だ。 それが人の命を奪うから、でなくなったのは一体いつからだろう。 例えば、そう、何百、何千とあるエアパッキンをひとつずつ潰すような単調なその作業自体に嫌気がさしていた。...

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 ささげもの 

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作品のご案内        2010.12.15 ~  執筆
「はぁ?」宇奈月範子は机の上でため息を一つついた。「どうしたの?」すらっと美人な黒髪の下川文子はいつもの親友のため息に呆れることなく聞き返した。「ねぇ、文子」「? どうしたの、範ちゃん」「隣県の大塔高校って知ってる?」「知ってるけど……? あの原因不明の事故でよく壊れたりする場所でしょ?」公立高校にもかかわらず実質財閥の傀儡理事長などが立てられたとかで一時ニュースにもなった学校のことだ。他にもその高...

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 蒼さんのお話 (短編) 

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作品のご案内        2010.12.01 ~  執筆
「で、私が呼ばれたと。 司令部からの命令は? ……。 私がですか? はい、分かりました」...

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